「小さいことにくよくよするな! 」㊵
85. 問題にたいする見方を変える
支障や問題は人生につきもの。
真の幸せはすべての問題が消えたとき訪れるのではなく、問題にたいする姿勢を変えて、
それらを気づきと忍耐を学ぶ場としてとらえたときにやってくる。心豊かな人生の基本は、
さまざまな問題を、心を開かせる最適な場としてとらえることにある。
(中略)
仏教の教えでは、苦難は人の成長と心の平和に欠かせない要素だとみなされている。
チベットの信者は、こんなふうに祈るという—「この旅で私にふさわしい苦難を与え
てください、私の心が真に目覚めて解放され、宇宙と一体になれますように」と。
なんの苦労もない人生には成長する機会がほとんどないようだ。
自ら問題を求めることまではしなくてもいい。ただ、問題から逃げたり振りきることに
時間をついやさず、それらを人生の大切な一部として受け入れることに時間をかけるこ
とをおすすめしたい。そうすれば、人生は戦いではなくダンスに近いことを発見するだろう。
あるがままに受け入れるという哲学は、流れにそって生きていく原点でもある。
86. 口論するときは、まず相手の意見を理解する
考えるとおもしろいことだが、誰かと口論したとき、その相手はあなたと同じぐらい
自分の意見が正しいと信じているのだ。それでいて私たちはつねに味方する—-自分の
側に! そこからなにも学びたくないという私たちのエゴのなせるわざだ。この癖は必要
のないストレスも増加させる。
相手の意見をまず理解するというこの戦略を私がはじめてためしたとき、実にすばらし
いことが起きたのに気づいた。心が傷つくどころか、相手にもっと親しみを感じること
ができたのだ。
(中略)
相手の意見を優先させたからといって、あなたに信念がないとか自分の非を認めたと
いうことにはならないのだ。ただ相手の見方を理解しようとしているだけ—-まず最初
に相手を理解しようとしているのだ。
自分の正しさをたえず証明するには多大なエネルギーがいる。ところが、相手に正しさ
を主張させるにはほとんどエネルギーがいらず、むしろエネルギーが増大する。
相手の立場や意見を理解すると、幾つかのすばらしいことが起きいくる。
第一に、新しいことが学べる。視野が広がる。第二に、あなたがきちんと聞いているこ
とがわかると、その相手はあなたにたいしてもっと敬意をはらうようになる。
相手をさえぎって自分を主張すると、その相手はもっと独断的になったり自己防衛に
走ったりする。
ほとんどの場合、あなたが態度をやわらげれば相手もやわらげる。すぐにそうなるとは
かぎらないが、やがて必ずそうなるものだ。相手をまず理解しようとすることは、自分
の主張よりも相手にたいする愛と敬意を優先させるという意味だ。
これは無償の愛の練習でもある。
さらに、その相手があなたの意見に耳を傾けるかもしれないという利点もある。
相手があなたの意見を聞くかどうかの保証はないが、確実なことが1つある。
あなたが耳を傾けなければ、相手もあなたに耳を傾けないということだ。
先に相手の意見を聞こうとすることによって、この頑固な輪を断ち切ることができる。
この続きは、次回に。
2025年8月11日
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美