60歳からのチャレンジ起業⑨
事業内容を明文化する。
事業計画を作成する。
第一に、5W1Hで記すことができます。
1. 誰が(who)=事業主体(経営陣、主要従業員、株主など)
2. 何を(what)=事業内容(主要商品、ソービスなど)
3. 何故(why)=事業目的(経営理念、創業動機など)
4. 何時(when)=事業開始のタイミング(これから3カ月以内、
すでに開業後1年等)
5. 何処で(where)=活動場所(本社、営業地域、生産拠点など)
6. どうやって(How)=事業運営方法(株式会社、個人事業者、NPOなど)
重要なポイント
① 商品、サービスのつくり方=生産、研究開発
② その売り方=販売、流通、マーケティング
③ 事業を支える人=組織、陣容
④ そのためのお金=資金計画
□ 一人でやるか、チームでやるか
以下の問いに自らに投げかけてほしいと思います。
第一は、「起業にあたり、自分以外の「経営者」を必要とするかどうか」。
第二は、「その理由はなぜか」。
第三に、「他の経営者を事業立ち上げの際に招く場合、自分と対等の立場で
(つまり、パートナー)として呼ぶのか、監督者として声をかけるのか、
それとも自分よりも下位の経営層として参加してもらうのか」。
□ 自分以外に経営者が必要かどうか、その理由を明確にする。
□ 他の経営者の地位をどうするか。
□ どの程度、他の経営者に権限委譲するか。
先立つものはお金
一つは、いわやるデット(debt)と言われる負債(あるいは、他人資本とも
言われる。)です。それには銀行、借入、社債などがあります。
二つ目は、エクイティ(equity)と呼ばれる自己資本です。
普通株式、優先株式などがこれにあてはまります。
個人投資家であれ、VCであれ、創業時あるいは揺籃期の起業に投資する場合、
以下の七つ程度のポイントを踏まえる。
① 市場性(起業が提供する商品やポイントを受け入れる顧客がいるかどうか)
② 新規性、独創性(世になり、もしくは希少性の高い商品やサービスがどうか)
③ 収益性(儲かる起業かどうか)
④ 成長性(大きくなる、あるいは長く続く企業かどうか)
⑤ 社会性(世の中のニーズを充たす、そして公益性を損なわない企業かどうか)
⑥ 経営能力(事業経営ができ、信頼できる経営者かどうか)
⑦ その他のプラスポイント(たとえば競争相手の分析に優れている、営業力がある、
社外に仲間が多いなど)
□ 起業段取り90日
・事業内容と主たる商品、サービスを決める(最初の15日)
・会社設立準備(次の15日)
・個人事業者を選ぶなら
・定款を作る(設立準備と並行して行う)
・出資者を募る(さらに30日)
・オフィス探し
・出資金の払い込みと設立総会(出資が確定してから、15日)
・登記後にすぐ行うこと。
・銀行とのつき合い方
起業失敗の4パターン
① 資金ショート(資金繰りに行き詰まる)
② 経営者がワンマンになり過ぎて、嫌気をさした従業員が次々と辞めること。
③ 売り出した商品やサービスが競合に真似られたり、大企業に対抗商品を出されて、
事業が立ちいかなくなる。
④ ちょっとした成功に奢って、経営者が無駄づかいを始めること。
・こうした失敗の轍を踏まないための方策についてですが、まずは、「起業」という第一歩を
踏み出す際の様々な障害について考えてみたいと思います。
大雑把に言って、以下のような障害が予想されます。
● 「資金」的理由(たとえば、会社に売上が立たなくてもやっていける金が手元にないなど)
● 「人」的理由(一緒に仕事をしたい仲間がいないなど)
● 「物」的理由(新しい商品やサービスのコンセプトがつくれないなど)
● 「精神」的理由(自分が成功する自信がないなど)
これらを私は起業失敗の4パターンと呼んでいます。
「あいうえお」のマジックワード
起業家、社長が気力を維持、昂進させ、かつ新しく始めたビジネスを成功させるために
様々な方法があります。ここでは簡単な六つの心構えと、仕事上のヒントを紹介します。
・最初の心構えは、「あるべき姿を思い出す」
「あすやろうと思わず、今日やってしまう。」
・次は、「いまと将来を繋ぐ」
「自分の理想像を思い出したら、これを現実の自分と繋げること」
・第三は、「うさばらしをする」
「ここで言う「うさばらし」とは、短時間、短期間の気分転換をする。
お勧めは、① 「散歩」 ② 「予算を決めて散財をすること」
③ 「うるさいと思われるほど尋ねる」 ④ 「えらい人に尋ねる」
・第四は、「え(絵)に描いてみる」
図表にする、チャートを描くなど、視覚に訴えると、思わぬ解決方法が見つかる
事があります。
・第五は、「おのれを信じる」
「自分には無限の可能性があり、それを育み、花開かせるのも自分である、
そして最大の栄養素は自分に対する惜しみない愛であると信じる」事です。
「お蔵入りにした仕事を定期的に見直す」です。
・否定的なことをまず思い出して、怒りや憤りという感情の力を借りて、意欲を取り戻す
やり方を二つ述べます。
① 「かこ(過去)をバネに」、「かね勘定の前に信用を得よ」です。
② 「きらいな自分に学ぶ」、「きっちりと品質や納期を守れ」です。
以上、心構えでは、「あるべき姿を思い出す」、「いまと将来を繋ぐ」、「うさばらしをする」、
「えらい人に尋ねる」、「おのれを信じる」、「かこ(過去)をバネに」、「きらいな自分に学ぶ」、
実務上のヒントでは、「あすやろうと思わず、今日やってしまう」、「いらついたら、少し離れる」
「うるさいと思われるほど尋ねる」、「え(絵)に描いてみる」、「お蔵入りした仕事を定期的に
見直す」、「かね勘定の前に信用を得よ」、「きっちりと品質や納期を守れ」の頭文字を取って、
「あいうえお」と覚えてもらうとよいでしょう。
□ 中高年起業失敗ケーススタディ
・ケース6 大きく生んで失敗したゲームソフト制作
・ケース7 自分の思い込みが強過ぎた生ごみ処理機器製造
あとがき
ベビーブーマーのジャパニーズ・ドリーム
・それは、若いころに想像したよりも自分が若々しいからなのです。
・一方ではひょっとするといままでの人生が仮衣で、これからの人生が本当の
衣装なのかもしれないという予感もあります。
・人生が80年だとすれば、50歳から、後30年、60歳になつてもまだ20年もあると
いう余裕があるからなのでしょうか。
・60歳になって定年退職する人々、そうした団塊世代やそれに続く中高年が、
若者とは違った、長い人生を生きてきた知恵と経験を活かした夢を見ることは、
無謀あるいは非現実的なのでしょうか。
・中高年が第二の人生を活き活きとして送ることは、新しいジャパンニーズ・
ドリーム、「ニュー・ジャパニーズ・ドリーム」なのだと考えます。
・団塊世帯゛が定年退職を直前にして、新たなチャレンジに臨むことは、
日本の活力を大いに増進させるに違いありません。
・今後、長い人生を送る団塊世代そしてその後続組が、生涯現役の気概を
持ちながら、気楽に賢く生きることが、日本の再生に重要な役割を果た
すように思えてなりません。
総括
この書籍の「あとがき」を読んで私も同感です。
私は、昨年の6月21日に会社を設立致しました。
独立したいと思っているならば、独立すべきです。
「頭」で考えていても、前進はありません。
考えている間にあっという間に 歳をとり、「あの時に起業していれば」と
思っても、後悔先に立たずです。
「失敗しない起業」とは、成功しようと思わない事です。
現実に満足し、後悔しない道程-プロセスを踏んでいれば、後悔はしません。
世の中には、亡くなる前の預貯金が平均3,000万円程あるとのデータがあります。
万が一の時やこれからの人生設計を考え、食べたい物も食べず、旅行したいところ
も我慢して預貯金したならば、何のための3,000万円なのでしょうか。
お金は、「生き物」です。活かして使う事で成長するものであると。
是非、一度購読していただければと思います。
次回をお楽しみに。