お問い合せ

新装版 こころの朝 イソップ寓話②

イソップ7

心の影におびえず、しっかりと前を見て進みたい

うろたえたライオン

 

心に恐れがあると、実体がつかめない。

自信のないことや、気の進まないことをやっている時には、

「皆が、自分のことを笑っているのではないか」

「自分は嫌われているに違いない」という心がわいてきて、誰かの、ちょっとした言葉が、

とても気になったりする。しかし、実際には、人は他人のことを、そんなに気にしているわけではないし、

何かあっても、すぐに忘れてしまうものだ。自分の心の影におびえず、しっかりと前を見て進みたい。

 

イソップ8

お金は、使うためにある。使わないお金なら石と同じ

金塊を盗まれた男

 

「お金は、使うためにあるのです。お金があった時も、使わずにしまっておいたじゃないですか。

使わない金塊なら石と同じです。同じ場所に石を埋めて、金だと思ってはどうですか」

「お金は、何のためにあるのか」と問いかけている話である。

努力してためたお金は、決して無駄にはできない。

自分や周囲の人々が、本当に幸せになれるように使ってこそ生かされる。

 

イソップ9

苦しみの原因を見誤ると、何の解決にもならない

夜明けを告げるニワトリ

 

あまりにも苦しみが大きいと、目の前のものに当たったり、誰かを責めたりしがちである。

そんな私たちに、

「苦しみの原因を見誤ると、何の解決にもならない。

それどころか、二倍、三倍になって我が身に返ってくる」と教えている。

 

怒りは無謀に始まり 後悔に終わるものだ

 

イソップ10

人の悪口を真に受けて、仲間や友を疑ってはならない。

三頭のウシを食べたライオン

 

人の悪口を真に受けて、仲間や友を疑ってはならない。

一度、疑いだすと、何でも悪いほうへ拡大解釈して、やがて、収拾のつかない争いに発展する。

 

イソップ11

逆行の時こそ、落ち着いて物事の判断を

「福の神」を売る男

 

人間が、お金で売ったり、買ったりできるような「神サマ」に、

私たちを幸せにする力など、あろうはずがない。

順境の時には冷静に判断できることでも、病気や災難などの不幸が続くと、

人間は心が弱くなり、インスタント的「ご利益」を強調するものに迷いがちである。

逆境の時こそ、落ち着いて物事を判断しなければならない。

 

イソップ12

恋の炎は、理性を焼き尽くし、先のことを見えなくさせてしまう

人間の娘に恋したライオン

 

恋の炎は、理性を焼き尽くす。

ライオンが「百獣の王」と恐れられるのは、鋭い牙と爪があるからだ。

その武器を抜いてしまったら、たとえ結婚しても、ジャングルの中で、彼女を守っていけるはずがない。

先のことも、周りのことも、全く見えなくさせてしまうところに、恋の恐ろしさがあると、イソップは警告している。

 

こころこそ 心まよわす 心なれ 心に心 こころゆるすな

 

 

この続きは、次回に。

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