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新装版 こころの朝 イソップ寓話③

イソップ13

地位や名誉のある人が、幸せとは限らない

ウマをうらんだロバ

 

私たちも、地位、名誉のある人を見て、「いいなあ」「うらやましいなあ」と感じることがある。

しかし、会社ならば、係長より課長、課長より部長と、役職が高くなればなるほど、責任が重くなる。

社長は、最も豪華な部屋にいるかもしれないが、精神的な負担は、平社員とは比べものにならない。

外見だけで、どちらが幸せか、などと、論じることはできないのである。

 

イソップ14

金の卵を、毎日、手に入れるようになっても、人間の欲は満たされない

金の卵を産むニワトリ

 

人間の欲には限りがない。たとえニワトリが、金の卵を、毎日、二個、三個—、

十個と産むようになっても、男の欲が満たされる日は来ないだろう。

では、そんな人間は、どうしたら幸福になれるのだろうか。

この短い寓話は、とても大きな課題を、私たちに突きつけている。

 

永久に 満ちることなし 欲の山

 

イソップ15

自慢話は、人を不快にさせたり、傷つけたりする

ツルの反撃を受けたクジャク

 

自慢話は、人を不快にさせたり、傷つけたりする。だが、話している自分は案外気がつかない。

そのことをハッキリ指摘してくれる人は、ありがたい人だ。

注意されたことを改める努力をしていけば、自分が向上できる。

しかし、笑って相槌を打ちながら、内心、苦い思いをしている人のほうが圧倒的に多い。

その結果、信用を失うのは自分である。

 

イソップ16

どんな時でも、人を見下げて威張ってはならない

ロバをののしったウマの末路

 

「どんな時でも、人を見下げて威張ってはならない。

いつ立場が逆転するか、分からないのがよる中である」と戒めた話である。

 

イソップ17

苦しみに直面したとき、時の流れを待つのも一つの解決法である

腹のふくれたキツネ

 

苦しみに直面して、途方に暮れることがある。

そんなときは、無理に力まずに、時の流れを待つのも、一つの方法だ。

「あいつのせいだ」「なんで自分が、こんなめに」と、怒りや愚痴が逆巻いているうちに、

何を言っても、やっても、うまくいかない。周り中に火をつけ、苦しみが増すだけである。

しかし、腹が立ったままでは疲れるので、時間の経過とともに、次第におさまっていく。

人間関係のもつれや、感情的な対立の場合は、なおさら時間をおいて、互いが冷静さを取り戻すまで、

待ったほうがいい。

 

イソップ18

知らないことを、知らないというのは、恥ではない

ワシとカタツムリ

 

分からないことは、見栄を張らずに、よく分かっている人に聞くべきだ。

自分の知らないことを、素直に、知らないと言うのは恥ではない。

聞いて自分のものにすれば、確実に一歩、向上したことになる。

プライドや体面にこだわり、知ったかぶりをして損をする人の、いかに多いことか。

 

イソップ19

人には向き、不向きがある。

同じことができないと嘆くよりも、得意な分野を伸ばすほうがいい

小イヌのまねをしたロバ

 

子イヌには、子イヌの長所がある。

ロバには、ロバの長所がある。

ただ、それぞれの活躍の場が違うだけだ。

同様に、人には向き、不向きがある。

誰かと同じことができないと、嘆くよりも、得意な分野を伸ばすように心がけるほうが、はるかにいい。

 

 

この続きは、次回に。

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