チェンジ・リーダーの条件-21
○ キャンペーンによるマネジメントは失敗する
マネジメントを的確に行うためには、目標間のバランスが必要である。
キャンペーンによるマネジメントは、当座しのぎのマネジメントと同じように、混乱の兆候である。
無能の証拠である。
いかに計画するかをトップマネジメントが知らないことを示す。
何を期待すべきか、いかに方向づけすべきかを知らないことを示す。
人を間違った方向に導いていることを示す。
○ 一人ひとりの目標を明らかにする
マネジメントとは、その定義づけからして、自らの率いる部門が、その属する上位部門に対して行うべき貢献、つまるところ、企業全体に対して行うべき貢献について責任をもつ者である。
その仕事は、下に向かってではなく、上に向って行われる。
すなわち目標は、その属する上位部門の成功に対して行うべき貢献によって規定される。
マネジメントたるものは、自らが率いる部門の目標を自ら設定しなければならない。
もちろん、彼の上司には、そのようにして設定された目標を承認する権限がある。
しかし目標の設定は、あくまでも部門の長である彼自身の責任であり、しかももっとも重要な権限がある。
目標は、好みではなく、組織の客観的なニーズによって設定しなければならない。
まさにそれゆえに、誰もが、自らの属する上位部門の目標に設定について、積極的に参画しなければならない。
「事業全体の空極の目標が何であるか」を知り、その内容を理解しなければならない。
そして、「自らに何が求められ、それがなぜであるか」「自らの成果は、何によって、いかに評価されるか」を知り、理解しなければならない。
共通の方向づけを行うだけでなく、間違った方向づけをなくすための努力が必要である。
相互理解は、上から下へのコミュニケーションや、単に話をするだけでは得られない。
それを可能とするのは、下から上へのコミュニケーションである。
そのためには、上司が進んで耳を傾ける意思をもつとともに、部下が話を聞いてもらえる特別の仕組みが必要である。
この続きは、次回に。