完訳 7つの習慣-人格の回復-15
三つの資産とは
資産は基本的に三種類ある。物的資産、金銭的資産、人的資産である。
私たちは、目先の利益、すぐに得られる結果を求めるあまり、自動車やコンピューター、洗濯機、乾燥機等の価値ある物的資産を台無しにしてしまうことが少なくない。
自分の身体や自然環境を損なってしまうことすらある。
PとPCバランスがとれていれば、物的資産の活用の効果性は著しく向上する。
私たちのもっとも重要な金銭的資産は、収入を得るための能力(PC)である。
自分のPCの向上に投資しなければ、収入を得る手段の選択肢はずいぶんと狭まってしまう。
クビになったら経済的に困るから、会社や上司に何を言われるかとびくびくして保身だけを考え、現状から出られずに生きるのは、とても効果的な生き方とは言えない。
人的資産においてもP/PCバランスは同じように基本だか、人間が物的資産と金銭的資産をコントロールするのだから、その意味ではもっともバランスが十四になる。
組織の成果を生み出す能力
顧客第一を掲げながら、顧客に接するスタッフのことはまるでないがしろにしている企業は少なくない。
スタッフはPCであり、会社は大切な顧客に望む接客態度でスタッフに接することが原則である。
人手はお金で雇えるが、人の心までは買えない。
熱意と忠誠心は、心の中に宿るものである。
労働力は買えても、頭の中までは買えない。
創造力、創意工夫、機知は頭の中に宿るのだ。
PC活動とは、大切な顧客に自発的に接する態度と同様に、スタッフに対しても自発的に接することである。
それによって、スタッフは自発的に行動でき、自分の心と頭の中にある最高のものを提供することができるのだ。
P/PCバランスを維持するには、黄金の卵とガチョウの健康のバランスを見極める高い判断力が要る。
それこそが効果性の本質であると言いたい。
短期と長期のバランスをとることであり、良い成績をとろうという意欲とまじめに授業を受けるバランスをとることである。
自分の意見をごり押しすれば、お互いの関係にヒビが入ったように感じるだろう。
しかし時間をかけて関係の改善に努めれば、協力し合おうという気持ちが生まれ、実際に協力し、コミュニケーションが円滑になり、関係が飛躍的に良くなるものである。
「7つの習慣」の土台となる効果性の定義とパラダイムなのである。
この続きは、次回に。