完訳 7つの習慣-人格の回復-22
主体性:30日間テスト
日常の平凡な出来事の中でも、人生の大きなプレッシャーに主体的に取り組む力をつけることはできる。
どのような約束をして、どのようにそれを守るか、交通渋滞にどう対処するか、怒っている顧客や言うことを聞かない子どもにどのような反応を選択するか、問題をどうとらえるか、何に自分の努力を傾けるか、どのような言葉遣いをするか。
30日間、自分の主体性を試すテストに挑戦して欲しい。
実際にやってみて、どういう結果になるか見るだけでいい。
30日間毎日、影響の輪の中のことだけに取り組むのである。
小さな約束をして、それを守る。
裁く人手はなく、光を照らす人になる。批判するのではなく、模範になる。
問題をつくり出すのではなく、自らが問題を解決する一助となる。
これを夫婦関係において、家庭で、職場でやってみる。
他者の欠点を責めない。
自分の欠点を正当化しない。
間違いを犯したら、すぐに認め、正し、そこから教訓を得る。
間違いを他者のせいにしない。
自分がコントロールできることに取り込む。
自分自身に働きかけ、「ある(be)」ことに取り組む。
他者の弱点や欠点を批判的な目で見るのをやめ、慈しみ深い目で見る。
問題はその人の弱点や欠点ではなく、それに対してあなた自身がどんな反応を選択し、何をすべきかである。
問題は「外」にある、そんな考えが芽生えたら、すぐに摘み取ってほしい。そう考えることこそが問題なのである。
自分の自由の芽を日々伸ばす努力を続けていると、少しずつ自由が広がっていく。
逆にそうしないと、自由の範囲がだんだんと狭まっていき、自分の人生を主体的に生きるのではなく、「生かされている」だけでの人生になる。
親や同僚、社会に押しつけられた脚本に従って生きることになるのだ。
自分の効果性に責任を持つのは自分以外にはいない。
幸せになるのも自分の責任である。
突き詰めて言えば、自分がどういう状況に置かれるかは、自分自身の責任なのである。
サミュエル・ジョンソン(訳注:英国の文学者)の言葉を借りよう。
「満足は心の中に沸き出るものでなければならない。
人間の本質を知らない者は、自分自身の人格以外の何かを変えて幸福を求めようとするが、そのような努力が実を結ぶはずはなく、逃れたいと思う悲しみを大きくするだけである」
自分は責任ある(反応を選択する能力)人間であると自覚することが、自分自身の効果性の土台となる。
そして、これから取り上げる習慣の土台となるのだ。
第1の習慣:主体的である 実践編
1 丸一日、自分が反す言葉に注意し、周りの人々の言葉も注意して
聴いてみる。「―――でさえあったらなあ」「できない」「しなければな
らない」というような反応的な言葉を何回使ったり聞いたりしただろ
うか?
2 近い将来にありそうなことで、過去の経験からみて反応的な態度
をとるだろうと思うものを一つ選ぶ。
自分の影響の輪の中で、その状況を考え直してみる。
どのような反応を選択すれば主体的であるだろうか。
その状況を頭の中でありありと想像とてみる。
主体的に反応している自分を思い描いてみる。
刺激と反応の間にあるスペースを思い出そう。
そこには選択の自由がある。
その自由を生かすことを自分に約束する。
3 仕事や私生活で抱えている問題を一つ選ぶ。
それはあなたが直接的にコントロールできる問題だろうか、
間接的にコントロールできる問題だろうか、それとも自分には
コントロールできない問題だろうか。
それを判断した上で、問題を解決するために影響の輪の中で
できることを一つ決め、実行する。
4 主体性の30日間テストにトライする。
影響の輪がどのように変化するか見てみよう。
この続きは、次回に。