完訳 7つの習慣-人格の回復-23
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
パーソナル・リーダーシップの原則
我々の後ろにあるもの(過去)と我々の前にあるもの(未来)は、我々の内にあるものに比べればとるに足らないものである。
—オリバー・ウェンデル・ホームズ
「終わりを思い描くことから始める」とは?
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」は生活のライフステージに当てはまる習慣だが、もっとも基本的なレベルで言うなら、人生におけるすべての行動を測る尺度、基準として、自分の人生の最後を思い描き、それを念頭に置いて今日という一日を始めることである。
そうすれば、あなたにとって本当に大切なことに沿って、今日の行き方を、明日の生き方を、来週の生き方を、来月の生き方を計画することができる。
終わりを思い描くことから始めるというのは、目的地をはっきりさせてから一歩を踏み出すことである。
目的地がわかれば、現在いる場所のこともわかるから、正しい方向へ進んでいくことができる。
自分にとって本当に大切なものを知り、それを頭の中に植えつけ、そのイメージどおりになるように日々生活していれば、私たちの人生はまるで違ったものになるはずだ。
終わりを思い描くことから始めると、目の前にこれまでとは違う視野が広がる。
すべてのものは二度つくられる
「終わりを思い描くことから始める」習慣は、すべてのものは二度つくられるという原則に基づいている。
すべてのものは、まず頭の中で創造され、次に実際にかたちあるものとして創造される。
第一の創造は知的創造、そして第二の創造は物的創造である。
ビジネスも同じだ。ビジネスを成功させたいなら、何を達成したいのかを明確にしなければならない。
ターゲットとする市場に投入する製品やサービスを吟味する。
次はその目的を達成するために必要な資金、研究開発、生産、マーケティング、人事、設備などのリソースを組織する。
最初の段階で終わりをどこまで、思い描けるかがビジネスの成功と失敗の分かれ道になる。
失敗する起業のほとんどは、資金不足、市場の読み違い、事業計画の甘さなど、第一の創造でつまずいているのである。
すべてのものは二度つくられるという原則を理解し、第二の創造だけでなく第一の創造にも責任を果たすことによって、私たちは影響の輪の中で行動し、影響の輪を広げていくことができる。
この原則に反して、頭の中で思い描く第一の創造を怠ったなら、影響の輪は縮んでいく。
この続きは、次回に。