完訳 7つの習慣-人格の回復-31
第3の習慣
最優先事項を優先する PUT FIRST THINGS FIRST
パーソナル・マネジメントの原則
大事を小事の犠牲にしてはならない。 ——ゲーテ
第3の習慣は、第2の創造、すなわち知的創造で思い描いたビジョンを
かたちあるものにする物的創造の習慣である。
原則中心の行き方をするために意思を発揮し、一日の始まりから終わりま
で、その瞬間瞬間たゆまず実行していく習慣である。
第3の習慣を身につけるには、第1と第2の習慣の土台が不可欠である。
自分の主体性を意識し、それを育てていかなければ、原則中心の生き方は
できない。
自分のパラダイムを自覚し、それをどのように変えれば原則に合わせられる
かを理解して初めて、原則中心の人生を生きられる。
あなた独特の貢献をありありと思い描きフォーカスすることができなけれ
ば、原則中心の人間にはなれない。
しかし、これらの土台を築けたら、自分自身を効果的にマネジメントする
第3の習慣を実践することによって、あなたは毎日、原則中心の生き方が
できるようになる。
リーダーシップは基本的には右脳の精力的な活動である。
技術というより芸術であり、哲学を土台としたものである。
マネジメントとは、左脳にある効果的な自己管理の側面を使い、作業を
細かい部分に分け、分析し、順序だて、具体的に応用し、時系列で物事を
取り扱っていく。
私自身の効果性を最大化するために右脳でリーダーシップ、左脳でマネジメントと
考えている。
意思の力
セルフ・マネジメントに真の効果性をもたらすには、人間だけに授けられた
四つの能力の四番目、意思を応用することだ。
意思とは、決断し選択する能力であり、決めたことに従って行動する能力である。
他者や周りの状況の影響に動かされるのではなく、自分の考えで行動し、
自覚、想像、良心を使って書いたプログラムを実行する能力である。
効果的なマネジメントとは、最優先事項を優先することである。
リーダーシップの仕事は、「優先すべきこと」は何かを決めることであり、
マネジメントは、その大切にすべきことを日々の生活の中で優先して行える
ようにすることだ。
自分を律して実行することがマネジメントである。
規律とは、自分を律することだ。
自分を律するというのは、哲学に従い、正しい原則、自分の価値観、
もっとも重要な目的、より上位の目標に従って、あるいはその目標を
象徴する人物を手本にして行動することだ。
要するに、自分を効果的にマネジメントできている人は、自分の内面に
ある規律に従い、意思を働かせて行動している。
内面の奥深くにある価値観とその源に従い、自分を律している。
感情や衝動、気分に流されず、自分の価値観を優先できる意思と誠実さを
持っているのである。
E・N・グレーの『The Common Denominator of Success(成功の共通点)』
「成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す
習慣を身につけているということである。
彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないが、
自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ。
この続きは、次回に。