完訳 7つの習慣-人格の回復-32
時間管理の四つの世代
時間管理の本質を一言言うなら、「優先順位をつけ、それを実行する」に尽きると思う。
時間管理の第一の波もしくは世代は、メモやチェックリストが特徴である。
第二世代は、予定表やカレンダーが特徴だ。
第三世代が今の世代である。
前の二つの世代に「優先順位づけ」と「価値観の明確化」が加わっている。
明確にした自分の価値観に照らして活動の重要度を測り、優先順位を決め
ようという考え方である。
長期、中期、短期の目標を具体的に立て、自分の価値観に照らし合わせ、
その目標の達成に時間と労力をかける。
もっとも重要であると判断した目標や仕事を達成するために、毎日の具体的
なスケジュールを計画することも第三世代の考え方だ。
第四世代が生まれている。
この新しい波は、「時間管理」という言葉そのものが間違っているという
考え方だ。
問題は時間を管理することではなく、自分自身を管理することだからだ。
人が満足できるのは、自分が期待したことを、期待どおりに達成できたときである。
そして、何を期待するかも満足感を左右する。
その期待(満足)は、影響の輪の中にあるのだ。
第四世代は、モノや時間には重点を置かない。
この新しい波が目指すのは、人間関係を期待し、強くしながら、結果を出すことである。
簡単に言えば、P/PCバランスを維持することである。
第Ⅱ領域
活動を決める要因は、緊急度と重要度の二つである。
緊急の活動とは、今すぐに取りかからなければならない活動である。
重要度は結果に関係する。
重要な用事は、あなたのミッション、価値観、優先度の高い目標の実現に
つながるものである。
私たちは、緊急の用事には受動的に反応(react)する。
だが緊急ではないが重要なことをするには、率先力と主体性が要る。
機会をとらえたり、物事を実現させたりするには、能動的に動く(act)ことが必要なのだ。
「ノー」と言うためには
自分にとって一番重要なこと、もっとも大切にすべきことを決めたら、
それ以外のことには勇気を持って、明るくにこやかに、弁解がましく
「ノー」と言えなければならない。
ためらわずに「ノー」と言うためには、それよりも強い「イエス」、
もっと大事なことがあなたの内面で燃えていなくてはならない。
多くの場合、「最良」の敵は「良い」である。
正しい原則を生活の中心に置き、人生のミッションを自覚していれば、
そのつど効果的に判断する。
知恵を持てるようになる。
自分の時間と人生を効果的にマネジメントする方法はバランスよく優先
順位をつけ、それを実行することだと教えている。
自分が持っているプログラムを見つめる自覚があれば、想像力を働かせ、
両親に従って、原則中心の新しい、自分だけのプログラムを書くことが
できる。
そのプログラムこそが、あなたにとっての「イエス」となり、それ以外の
大切ではない用件に心から微笑んで「ノー」と言える意思の力を持つことに
なるのだ。
この続きは、次回に。