ドラッカーとの対話 未来を読みきる力 46
□ 資源とそのよりよき活用
さて、第3に検討すべきキーワード、すなわち、キー・コンセプトは、resources(資源)と
productivity(生産性)である。
ここでのリソースは、単なる旧来のヒト・モノ・カネといった生産要素的内容を指すにとどまらず、
ドラッカーの場合は時代・社会の大きな変化を反映して、時間(time)、知識(knowledge)、
情報(technology)、ノウハウ(knowhow)といった要素をも含め、より豊かな意味を持つものとして
捉えているところに、特徴がある。
そして、こうしたresourcesのよりよき活用(better utilization)をproductivity(生産性)であると
しているのである。
ここに、マクラップなどが提起し、ドラッカーがそれを継承して特に重要な対象として見なしている
知識労働者(knowledge worker)および知識産業(knowledge)の台頭が映し出されていると
いってよいだろう。
□ プライオリティと効率
第4に正しく掌握しておくべきドラッカー経営学のキー・ワードは、priority(優先順位、重要度、
重要性)とconcentration of focusing (集中化、焦点絞り、重点化)である。
成果(result)をあげるには、下手な鉄砲も数うちゃ当たるといった散発方式ではだめで、
目標(objective)に対して集中的にドカン! とまとめて当てることが大事である、
とドラッカーは何十回となく説く。
そのためには、すべてを絞り抜き、目標を選び抜き、限られた資源を優先順位の高いところに
有効(efficively)投入することが肝要である、とドラッカーは力説する。
ここから、さらにドラッカーの第5の大きな言語用法が導きだされてくる。
それは、能率(efficiency)と効率(effectiveness)を厳然と区別している点である。
Effectivenessはいつもoutput(産出)なり、results(結果)を意識し、しかも、当たり前のresultではなく、
群を抜いた(outstanding)非日常的(extraordinary)圧倒的な(overwhelming)結果を生み出すように
資源を配分することである。
この続きは、次回に。