成功の要諦 -9
『シルバー・バーチの霊訓』の教え
シルバー・バーチの霊は言います。
「因果応報を疑っている人もいるだろう。だが、私がいるところから、みなが生きている現世を見ると、
一分一厘の狂いもなく、原因の通り結果が出ている。
すごいことだと思いました。シルバー・バーチがいる霊の世界から見れば、因果応報の法則は
一分一厘の狂いもなく正しいことがわかるというのです。
私はこの年齢になってもシルバー・パーチの霊ほど長いスパンで人生を見通せるわけでは
ありませんが、納得することができるようになりました。
因果応報の法則は、結果が出るまでには時間がかかることがあります。
原因に対して結果がすぐ出ることもあるにはありますが、多くの場合はなかなか結果が
出てこないのです。しかし、20年、30年といった長いスパンで見ると、必ず因果応報の法則通りの
結果になっています。
私は昭和7年に生を享けて、ずいぶんと長い人生を歩んできました。
これだけ長く生きていると、いくらか長いスパンで人生を振り返ることができます。
すると、悪いことをした人が繁栄していることはまずありません。
よいことをしてきた人が不遇のままでいるということもありません。
人生を長いスパンで見ると、大体つじつまが合っています。
因果応報の法則で運命は変えられる
因果応報の法則の結果がはっきり見えないのは、結果がでるまでに時間がかかることに加え、
運命が重なって作用していることもあるからです。
先ほど述べたように、地球レベルという大きな運命のうねりがあり、次の国家、地方の運命があり、
さらにその上を個々人の運命が漂い流れています。
その運命を縦軸とすれば、横軸に因果応報の法則があります。
この二つの要素によって我々一人ひとりの人生が決まっています。
ところが、この二つの要素のうち、実は因果応報の法則のほうが、少し力が強いのです。
因果応報の法則のほうが少し力が強いので、もともと定まっていた運命が変わることがあるのです。
そのため、人生は、必ずしも持って生まれた運命の通りにはなりません。
非常に悪い運命に差しかかっていたとしても、善いことを思い、善いことをしたために、
因果応報の法則が作用して、本来あるはずの落ち込みが小さくなるということがあります。
また、運命的には非常にうまくいくところに差しかかっていたのに、悪いことを思い、悪い事を
したために、そのままなら上昇するはずだった人生がそうはならなくなってしまう、
ということもあります。
運命は因果応報の法則に作用され、変わってくるものです。
運命と因果応報—人生をつくる二つの法則
人生は、運命と因果応報の法則というたった二つの法則でできています。
それ以外にはありません。
人生がこの二つでできているとして、我々は人生の中で遭遇する現象にどのように対処していけば
いいのか。ところで、仏教を勉強すると、最初に「諸行無常」という教えが出てきます。
諸行とはすべての現象という意味です。諸行は常ならず。
つまり諸行無常とは、どんなものでも安定したもの、一定したものはない、という意味です。
きょうは健康でも、明日は病気に倒れるかもしれない。
きょうはうまく経営ができても、明日は左前になるかもしれない。
我々の目の前に起こる現象は常に一定ではなく、安定していない。
そうお釈迦さまは説かれています。
人生は安定せず、波乱万丈である。だから人生は苦行である、ともお釈迦さまは説かれています。
その苦しみから衆生を救済するために、お釈迦さまは出家の道を選ばれ、修行をされました。
しかし我々一人ひとりにとっても、運命と因果応報の法則によって現れる現象に、日々どのように
対処していくかを考える腰は、生きていく上で非常に大事なことです。
その答えは実にはっきりしています。善いことに合おうと、悪いことに遭おうと、どんな現象に
合っても、その現象に感謝すること、これに尽きるのです。
これは大変難しいことです。
たとえば、災難に遭っても感謝しなさいというのは、言葉で言うのは簡単ですが、実際に災難に
遭った人が感謝するのは至難の業です。
よほど修行していなければ、そういうことはできません。
この続きは、次回に。