認知症にならないための 決定的予防法⑬
高血圧とアルツハイマー病についてわかっていること
高血圧は、アルツハイマーになるもう一つの外因性の危険因子です。
血圧が高いと全身の血管に損傷が起きるだけでなく、心臓発作にもつながります。
心臓と脳の障害には共通の誘因と特徴があることがいまではわかってきています。
炎症、酸化ストレス、低酸素症、血流が阻害されることによる酸素欠乏などです。
ストレスが増すと、異化ホルモンであるコルチゾールとアルドステロンが急増し、
そのためナトリウムが保持され血液量が増加し、結果として高血圧になります。
睡眠不足もやはり夜間にコルチゾールの値を増します。
つねに警戒状態に置かれると、炭水化物を要求するようになるのです。(夜間に冷蔵庫を
襲撃したくなる主要な原因です)。
アルツハイマーを防ぐには
血圧を適切に治療すれば、心臓病、脳卒中、それにおそらくアルツハイマー病のリスクも
減らせることが、多くの大規模な臨床試験で証明されています。
人によっては、健康的な食事をとり、運動量を増やし、体重を減らし、ストレスにうまく
対処すれば、投薬のあるなしにかかわらず高血圧を抑えられるでしょう。
自分に最も効き目のある方法を探し、血圧を正常範囲に抑えるよう医師ととり組んでください。
外因性の危険因子—-異常脂質
異常脂質とアルツハイマー病についてわかっていること
心臓と脳の関連を示す報告が増えるにつれて、異常脂質(LDL<悪玉>コレステロールの値が高く、
HDL<善玉>コレステロールが低く、中性脂肪は高い状態)は心臓病のリスクを増やすだけでなく、
脳の病気(アルツハイマー病)のリスクも増加させることがわかってきています。簡単に言うと、
以下のようになります。
◉ LDL<悪玉>コレステロールはアルツハイマー病のリスクを高めます。
◉ HDL<善玉>コレステロールの値が高いと、アルツハイマー病のリスクが減ります。
◉ 中性脂肪が多いと、アルツハイマー病のリスクが高まります。
アルツハイマーを防ぐには
ご自分のコレステロールの値が正常かどうか、確かめてください。
異常(LDLが高く、HDLが低い)であれば、生活習慣を変えて、飽和脂肪酸やコレステロールの
摂取を減らし、食物繊維の多い果物、野菜、全粒穀物を食べ、体重を減らし、体を動かす
活動を増やすなどして、LDL<悪玉>コレステロールを減らすようにしてください。
こうした生活習慣を変えるための方法は、アルツハイマーを防ぐための4ステップの処方箋の
なかに網羅されています。
生活習慣を変える方法を実践しても、まだLDLコレステロールが高ければ、LDLコレステロールを
下げるための投薬治療について医師と相談してください。
この続きは、次回に。