認知症にならないための 決定的予防法⑱
新たに判明しているアルツハイマー病のほかの危険因子
たとえば、高等教育を受け、生涯を通じて学びつづけている人は、教育をあまり受けていない
人よりも、アルツハイマー病になる危険性が低い可能性が研究から示されています。
学習しつづける人—-行ったことのない場所へ旅行し、本を読み、美術館や博物館に足を運び、
自分が発見したことを家族や友人と話し、毎日クロスワードパズルを解き、楽器を演奏する、
あるいは新しい言語を学ぶ—-は、脳の予備力を増やし、アルツハイマー病になる確率を
減らすことが研究結果からわかっています。こうしたことをするのに、大学教育は必要ありません。
また、友人や家族と強い社会的な絆をもっている人は、孤独な人や、ほかの人びとと
対話することなく、多くの時間を引きこもって過ごす人よりも、アルツハイマー病になるリスクが
低い可能性があることも研究結果は示しています。
家族がばらばらになるにつれて、老齢者はますます孤独になります。
これは非常に大きな社会問題であり、家族としても、国家にしても、各人がみな対処する
必要のある問題です。
さらに別の研究では、喫煙とアルツハイマー病が関連づけられています。
喫煙はたしかに血圧を高め、動脈を収縮させて血栓が形成される可能性を高め、動脈をふさぎます。
喫煙者はLDL<悪玉>コレステロールの値も高く、HDL<善玉>コレステロール値は低い、
つまりアルツハイマー病のあらゆる危険因子をもっているのです。
アルツハイマー患者では、脳内にかならず多くの銅が検出されることがわかっており、
研究者は銅とアルツハイマー型認知症を関連づけるようになっています。
私はいつも患者にビタミン剤のラベルを確認して、銅が追加されていないか確かめるように
言っています。
そうであれば、そのビタミン剤はやめて、銅を含まないブランドを探してください。
アルツハイマー病の危険因子をどのように抑制するか学ぶことは、予防に欠かせません。
日々を規則正しく送れば、老後を楽しみ、できる限り長く自立した生活を送れるのです。
この続きは、次回に。