1万円起業-13
◽ 売却するなら—ビジネスに高値がつく2つの条件
ジョンのアドバイスの勘所は、「オーナーの特殊な能力がなくても利益を上げられる組織をつくれ」と
いう点に尽きる。
つまり、最終的に会社を売却して利益を上げることが目的ならば、そのためのビジネスモデルは、
これまで本書で見てきたものとは違っているのだ。
本書の登場人物の多くは、「それが面白いから」という理由で、自分のためにビジネスを始め、
自分の望む形でそれを続ける人たちだった。だが、ビジネスが成功した段階で、「売却」という
選択肢を考えるのも決して悪くない。
「1万円起業モデル」を続けるか、ジョンの「売却モデル」に乗り換えるか—-どちらの道に
進みたいかを決めるには、次のシンプルな質問に答えるだけでいい。
「自分がほしいのは、どんな自由なのか?」
売却によって手に入るものもある。まとまったお金と時間、そして、新しいビジネスを始める自由だ。
これらと、自分の今のビジネスを続ける自由のどちらを選ぶかは、あなた次第だ。
もし、あなたがいつか自分のビジネスを売却することを視野に入れているのなら、これまで本書で
述べてきた方法とは決定的に違う、特別なステップをたどって準備するようにジョンは勧めている。
ビジネスが、他人の手に渡っても拡大可能であるためには、「教えやすさ」と「価値の高さ」を
あわせて持っていなければならない。
本章の登場人物たちがたどり着いた答えはさまざまだ。
その回答を実行に移すために、彼らはそれぞれに何かを受け入れ、何かを捨てた。
全部は手に入らない。
ビジネスが成長するにつれて、あなたも自分の好みや先の見通しに基づいて、何かを決断する
必要に迫られるだろう。
その決断には価値があり、それを決断する立場になるのはいいことだと覚えておいてほしい。
KEY POINTS
⚪️ 成長を追求して拡大を目指すか、小さいままでいるか、どちらを選んでもいい。
それは、あなたがどんな自由を望むかにかかっている。
⚪️ 自分のビジネスの生命線ともいえる重要な指標を1つか2つ、常に監視しよう。
その他は月の1回か2回、定期的にチェックすればいい。
⚪️ 拡大可能なビジネスは、「教えやすさ」と「価値の高さ」を兼ね備えている。
もしビジネスを売りたいと考えているのなら、チームをつくってオーナーへの依存度を
下げる必要がある。
この続きは、次回に。