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社内プレゼン資料作成術 ⑥

Lesson 12   キーメッセージは、「13文字」以内にまとめる

 

✔️キーメッセージを読ませてはいけない

ブレゼンのスライドにおいて、表紙のタイトルやキーメッセージは「読ませるもの」ではなく、

「見せるもの」です。1字1字読んで、ようやく意味がわかるのではダメ。

パッと見た瞬間に、意味がスッと頭に入ってくるようにしなければなりません。

決裁者の脳を「意味」を読み取ることに使わせるのではなく、提案内容を吟味することに

使ってもらわなければならないのです。

そのためには、どうすればよいか?

方法はただひとつ。文字数を減らすことです。

人間が一度に知覚できる文字数は、少ない人で9文字、多い人で13文字だと言われています。

瞬間的に文字と意味を同時に把握することができる文字数は13文字が上限。

これを超えると、意味をつかみ取るのに「読む努力」が必要になるのです。

日本最大のニュースサイト「Yahoo!」のニューストピックの見出しをつくることをイメージすると

いいでしょう。

 

✔️最重要ポイント以外はすべてカットする

キーメッセージを13文字以内にするためには、要するに、伝えるべき最重要ポイント以外の要素を

全てカットしていけばいいのです。まず、カットしていただきたいのは平仮名です。

「〜のために」「〜による」「〜について」といった平仮名は不要です。

また、「〜を」などの助詞も省けるものが多いので、日本語としておかしくなければできるだけ

取るようにしてください。

 

<例文①>

     【before】売上未達を改善するための戦略提案について(20字)

     【after】売上未達改善の戦略提案(11字)

 

平仮名を減らしても意味は通じることがご理解いただけると思います。

そして、それだけで文字数をかなり減らすことができるのです。

また、伝えるべきポイントを明確にして、付随的な要素は全てカットするようにしてください。

 

<例文②>

     【before】今月も加入者は約4000件の増加が見込まれる(22字)

     【after】加入者4000件増(9字)

 

この例文の第1の問題は、主語述語のある文章になっていることです。

キーメッセージは、このような文章にする必要はありません。

いたずらに文字数が増えるだけですし、そもそも、文章にしてしまうと読む必要が生じます。

決裁者に「読ませない」ためにも、文章にしないことを意識してください。

そして、「今月も」「見込まれる」など付随的な要素かカットします。

それは、口頭で伝えれば済むこと。

キーメッセージは、決裁者にインプットしたいポイントだけに絞ればいいのです。

さらに、「約4000件」の「約」も基本的に不要です。

これも口頭で「正確には3983件」などと補足すれば済むことです。

ただし、数字そのものは必ず残すようにしてください。

数字は一目で理解できますし、何よりもインパクトと説得力があります。

パワースライドをつくるためには数字がきわめて重要。

ですから、伝えたい数字は必ずキーメッセージに残しておくようにしましょう。

最後に13文字以内にする“裏技”をご紹介します。

スマホや携帯電話でキーメッセージをつくるのです。

 

Lesson 13   ポジティブ・メッセージは「青」、ネガティブ・メッセージは「赤」

 

✔️1枚のスライドで3色まで

ブレゼン資料において、カラーをいかに使うかは大切なポイントです。

まず第1のポイントは、カラーを使うことによって、重要なメッセージを目立たせることが

できることです。カラーを使うことによって、決裁者の注意を喚起することができるわけです。

この効果を最大化するためには、できるだけ色数を絞ることが重要です。

色数が多いと、逆に「何を伝えたいのか」がわかりにくくなってしまうからです。ですから、

カラーの色数は絞って、「ここがポイント!」という部分だけをカラーにするのが基本です。

 

✔️「青」と「赤」を使い分ける

カラーを使うことには、もうひとつ意味があります。

「売上増」「経費削減」などポジティブなメッセージは「青」、「売上減」「経費増」など

ネガティブなメッセージは「赤」に統一することで、わかりやすいプレゼンにすることができるのです。

 

<カラーの法則>

     ⚫️ ポジティブ・メッセージは「青」

     ⚫️ ネガティブ・メッセージは「赤」

 

これは、国際的に通用するルールです。

世界中の信号が「青=進め」「赤=止まれ」で統一されているように、「青」は「良好、順調、

安全」のシグナルであり、「赤」は「不良、不安、危険」のシグナルとして使われているのです。

ですから、できれば社内や部署内でこのルールに統一するのが望ましいのですが、

そうでなかったとしても、「青」と「赤」を使い分ける習慣を身につけておくことをおすすめします。

一点、補足しておきたいことがあります。

「コスト」や「目標数値」など、決してネガティブな意味ではなくても、会社にとって、

あるいは意思決定において重要な部分は「赤」を使うようにしてください。

これは、「見逃さないでください」と強調するためのカラーリングですが、アラート効果を

出すために「赤」を使用するのが適切なのです。

 

✔️事業フローはグラデーションで示す

カラーを使ったグラデーションも、非常に効果的です。

 

Lesson 14  「定型フォーマット」を用意しておく

 

✔️スライドの「定型化」で資料づくりを効率化する

社内プレゼン資料には、一定の形式があります。

表紙はもちろんですが、その他にも、提案内容の概要やスケジュールを示すスライドは必須です。

そこで、これらのスライドは定型化しておくことによって、資料作成を効率化することが

できるのはもちろん、うっかり必要な情報を書き忘れる「抜け漏れ」をなくす効果もあります。

たとえば、文章が長いときには、強調したい部分をMSPゴシックからHGP創英角ゴシックに

変えたり、より太いフォントに変えるといいでしょう。また、「コストの金額」や「目標数値」は

「赤」を使うことで、文章全てを読まなくても決裁者の目に飛び込んでくるようにしてください。

 

✔️スケジュールはビジュアルで見せる

「スケジュール・スライド」は定型化します。

「施策概要確定」→「施策実施」→「効果検証」の3ステップでスケジュールをビジュアル化しています。

1枚のスライドで3色を上限とするのが基本ですが、ここでは「確定」「準備」「実施」「検証」を

明示するために4色を使っています。

このスケジュール・スライドを社内や部署内で統一化しておくと、非常に便利。

なぜなら、他の事業提案のスケジュール・スライドと並べるだけで、事業期間のダブりなどが

一目でわかるからです。お互いの事業の繁忙期をズラすなどの調整が容易にできるわけです。

 

✔️プレゼン資料は、社内・部署内で統一する

社内・部署内で統一フォーマット化する——-。

これは、「概要」「スケジュール」などの定型的なスライドのみならず、プレゼン資料全体に

求められることです。本書でお伝えしている資料作りの「型」を、社内・部署内で共有することで、

組織全体の意思決定スピードが驚くほど加速していくのです。

 

 

この続きは、次回に。

 

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