訪日外国人インバウンド市場 攻略の鉄則-15
Keywords ◯ 「食」のおもてなし
・ インバウンド消費の拡大は日本の農業にとってチャンス
日本食を『来て、食べて、買ってもらう』ための『食のおもてなし』を推進していきます。
・ 全国の道の駅や直売所で農産物の免税対応を推進
・ 海外に持ち出せる農産物の周知、空港に輸出植物検疫カウンターを設置
持ち帰りが可能な品目がひと目でわかるパンフレットを作成し、農産物をおみやげとして持ち帰って
もらえるよう販売者を通じてアピールしている。
✔️ 多通貨決済や多言語対応の導入事例 ブレミアム・アウトレット
多言語ガイドや決済環境の充実などインバウンド対応で先行する。
全国の大型商業施設の中でも、早くからインバウンド対応を進めてきた「プレミアム・アウトレット」。
訪日観光客が特に多く訪れる「御殿場」「酒々井」「りんくう」「鳥栖」の施設におけるさまざまな
インバウンド対応事例を紹介する。
Keywords ◯ 決済・免税対応 ◯ 多言語対応 ◯ おもてなし
・ アクセスしやすい場所を見定め全国にアウトレットを出店
アウトレットモールをショッピング施設であると同時に観光施設として位置づけ、観光地の近くや
交通網の要衝となる場所へ出店していることだ。
・ WEBの多言語対応のほかすべての施設で銀聯カードが使える
中国人観光客に利用者が多い「銀聯カード」に対応した決済端末は、いずれの施設でも導入されていて、
免税に対応したテナント数も着実に増加している(御殿場:137店舗、りんくう:133店舗、鳥栖:63店舗、
酒々井:109店舗)
・ 決済、免税の環境をさらに強化、訪日観光のサポートも開始
酒々井プレミアム・アウトレットでは、全国のアウトレット施設で初となる「免税手続きカウンター」が
2015年9月1日に導入された。
・無料公衆無線LANの導入事例 福島県福島市
復興への強い思い民間から火が付いたWi-Fi網の拡大
東日本大震災と原発事故で甚大な被害を受けた福島県。
いまだ風評被害に悩まされる福島市では、来訪者への「おもてなし」の質を高めるべく、官民一体と
なって無料公衆無線LANのネットワークの構築に力を入れている。
Keywords ◯ Fukushima City Wi-Fi
・ 市内約50カ所に拠点を設置。誰もが無料でインターネットを使える。
地元の温泉観光協会や商店街などから『ぜひいっしょにやりたい』という声が自然発生的に
広がっていきました。
・ 困難に立ち向かう同じ思いが「菅」と「民」を結びつける。
日本を訪れる外国人観光客は年々増えているが、福島県を訪れる外国人は決して多くない。
その理由の一つとして、2011年の原発事故に対する風評被害が挙げられる。
この困難に立ち向かおうという強い気持ちが「官」と「民」をつないだ。
columu5 久保成人氏(観光庁長官)
インバウンド消費額4兆円に向けた「攻め」の受入環境整備
・ 消費税免税制度改正で免税店は急増
2014年のインバウンド消費は2兆円を突破しましたが、2015年は上半期で1兆5,952億円となり、
年間3兆円を超えるものと考えています。
観光庁では訪日外国人旅行者数2,000万人を目指すとともに、2,000万人が訪れる年にインバウンド
消費額を4兆円とすることを目指しています。
訪日外国人旅行者の急増や消費税免税制度の改定により、2014年に入って免税店の店舗数は急増し、
2014年4月1日時点では5,775店であったのが、2015年4月1日時点では約3倍の18,779店(対前年比
225.1%増)となりました。
制度の改定後の調査では、免税制度を利用した旅行者の消費額が大きい傾向が出ています。
・ 外国人旅行者の不便や不安を解消
さらに、2015年4月1日からは、商店街やショッピングセンターでまとめて免税手続きを実施できる
「免税手続カウンター」を設置できるようになりました。
免税手続カウンターでは、複数の店舗で購入した商品を合算して免税を受けることが可能です。
免税制度のほかにも、外国人旅行者から不満の多かった無料公衆無線LAN環境についても、総務省と
協力して整備促進、周知・広報等を行っているほか、海外発行カードに対応したATMの設置を推進し、
より買い物しやすい環境作りを行っています。
急増する訪日需要を一過性に終わらせないためにも、外国人旅行者の不便や障害、不安等を解消し、
訪日旅行の満足度を一層高める受入環境整備が急務であると考えています。
この続きは、次回に。