人を動かす経営 松下幸之助 ⑧
・ 仕事をまかす—若者が開いた出張所
“責任を自覚する”ということは、他からいくら自覚せよと口やかましく言われても、実際にはなか
なか身についたものとなりにくい。しかし、身につかなければ困るのであって、お互いが無責任で
あっては、何事も中途半端になりかねないし、物事がうまくいきにくい。
そこで、どうすれば責任を正しく自覚し、物事を立派にやり遂げるような姿が現れるのか、という
ことである。
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やはり、やればできるものである。年が若かろうと、経験が浅かろうと、一つの仕事をまかされた
となれば、その責任を強く感じるのが人間である。
責任を感じれば大いに努力する。奮闘する。そうすると、やはり事が進んで、成果も上がってくる。
これがいわば人間としてのふつうの姿であろう。
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そしてなによりも私は、人間というものはやればやれるものだということを信じていた。
人間を信じていた。やってやれないことはない。やればやれる。第一、出張所の開設という仕事は、
大変といえば大変な仕事であるが、また見方を変えれば、おもしろい仕事である。
しかも、自分にまかされているとなれば、自分の思うとおりにやれる。
だからこんなおもしろい仕事はない、とも考えられる。
いずれにしろ、そういうように、社員というか部下を信頼して一つの仕事をまかすということは、
任された人の責任感を引き出し、その力、持ち味も十分に発揮させることにもつながり、十分好ましい
姿をあらわすことに結びついてくるのではないかと思うのである。
この続きは、次回に。