お問い合せ

人を動かす経営 松下幸之助 ㊺

自信はどこから何が正しいかを基盤

 

経営というものをすすめていく上で大切なことの一つは、やはり経営者が経営に対して自信をもって

いる、ということである。

自信を持っていれば、ことにあたってよい知恵も出やすいと思う。

何事がおこっても、それによりよく対処していくこともできやすくなるわけである。だから、経営者は

自信をもつことが大事だが、それでは、その自信はどうすればもつことができるのか。

その自信は、人から与えられるものか、自分でそれを生み出すものか。ある人は、自分でいろいろと

考えて、その結果、一つの結論を得て、自分なりの自信をもつ。人は何と言おうと、自分はこうだ、

これで必ずうまくいくのだ、という自信をもつ。そういう人もあるだろう。

しかし、その反対に、なかなか自分では自信がもてない、という場合もあろう。そういう場合には

どうすればよいか。これは、やはり人からなんらかの助言を受け、それによって自信ができてくる、

ということもあろう。それでもいいわけである。

いずれにしろ、経営者は自信をもたなければならない。強くもっていることが大切である。

そうしてこそ、何事にも対処して、よりよい道を切りひらいていくこともできるのである。

自分は自信をもっている、けれどもうまくいかない、という人があれば、それはその自信にやはり

弱いところがあるのだと思う。

 

たとえば、なんらかの資金が必要になって、銀行から金を借りなければならない、という場合が

ある。その場合、銀行を説得して、その資金を得なければならない。それで銀行へ行く。

 

「金を貸してください」

「あなたのところは規模も小さいし、とてもそれだけの資金は貸せません」

 

こう言われて、「ああそうですか。それでは仕方がありません」と引き下がっていたのでは、金は

借りられない。どうすればよいか。

考え方はいろいろあるが、やはりその人は、相手を説得するだけの熱情を持っていなければならないと

思う。その熱情はどこから出てくるかというと、それは、自分がやっていることにまちがいない、と

いう自信、信念から出てくるのである。そして、そういう自信、信念から出てくる熱情があれば、

銀行の人を説得することもできるであろう。

 

「あなたは、規模が小さいから貸せないと言われるますが、小さいから弱いということはありません。

むしろ小さいから小回りもきくし、強いのですよ。それがあなたにはお分かりになりませんか」

 

このように説いていけば、その熱意にほだされ、しだいに理解度が高まってくるであろう。

 

「なるほど、考えてみればあなたのおっしゃるとおりです。それではお金をお貸ししましょう」。

 

こういうことにもなってくる。

これは物を売るのでも、注文を取るのでも同じことだと思う。自分を信ずるものを持たずにしては、

規模の大小を問わず、うまくいかない。

これは、信念の問題である。そして、その信念はどこから生まれるのかというと、〝何が正しいか〟

ということを自問自答するところから生まれてくる。

周知を集めて正しさを追求するところから生まれてくる。どんなに頭のよい人でも、自分のやって

いることがあやまっているとか、よくないことだとなれば、自信はもてないであろう。

だから自分のやっていることは正しい、という信念をもたなければならない。

正しいからこそ人にもすすめる。そして、ぜひとも人を説得しなければならない。そうすると、これは

説得できる。説得できるから、事を進めていくこともできる。

企業の経営にしろ、お互いの個々人の人生の経営にしろ、また大きく国家の経営を進めていく上に

おいても、こういった何が正しいかということが基盤にあってこそ、よりよい姿において力強く進めて

いくことができるのではないだろうか。

 

総括 いかがでしたか。

   随分、前に書かれた書籍とは思えないほど、現代に共通する–参考になる書籍でした。

   本日は、5月2日。ゴールデンウィークに入り、休暇を楽しんでいる方もおれば本日は仕事の

   方もおると思います。

   ちょっとした時間を割いて、是非この書籍を購入して最初から最後までお読みいただければと

   思います。これからの〝人生の道標〟になると思います。

   また、ゴールデンウィーク開けの〝五月病〟が心配です。

 

   五月病(ごがつびょう)とは、新人社員や大学の新入生や社会人などに見られる、新しい環境に

   適応できないことに起因する精神的な症状の総称である。

 

   このような方には、是非、お読みいただきたい書籍です。

 

   株式会社シニアイノベーション

   代表取締役 齊藤 弘美

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