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シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ⑤

□ 今買って後払い

 

✔︎ 「現金が手元になくても勘定を支払える方法はないだろうか?」と、フランクは考えた。

     そして、これがきっかけとなって、フランクは、初の個人向けクレジットカードを開発し、

     ダイナースクラブが生まれた。

 

✔︎  その後まもなく、アメリカン・エキスプレスが、初めて「多目的用の」「出かける時は忘れずに」の

     プラスチック製クレジットカードを発売し、「今こそマスター」のマスターカードや

     「必要な時はいつも」のVISA、そしてその他のカードも続々生まれた。

     クレジットカードの歴史における決定的な転換点は、アメリカン・エキスプレスが

     リボルビング払いのサービスを開始した1959年だった。

 

✔︎  消費者の購買行動を見てみると、クレジットカードがいくつかの不健全な浪費習慣を

     助長していることがわかる。

   前倒し消費、無意識の消費、新製品や高級品の購入だ。

     もちろん、この三タイプの浪費は重なりあうことも多い。

     ひとりの消費者がこのすべてに当てはまる場合も多いだろう。

     いずれにしろ、結果は同じでだれの目にも明らかだ。

     消費者は持てる以上に浪費し、新しいものをより早く、より簡単に、より頻繁に購入している。

 

     前倒し消費とは、「今すぐこれを手にいれなくちゃならない」という気持ちが抑えられず、

     手の届かないものを買ってしまうことだ。

 

     無意識の消費は、「何に使ったのかはわからない」タイプの浪費で、目的もなくモールを

     ぶらぶらしたり、昼休みにふらっと店に立ち寄って、夜家に帰る時には買うつもりも

     なかったものを手にしているといった行動に表れる。

 

     新製品や高級品の消費は、「もっと大きい(小さい)から、質がいいから、速いから、

     あるいは単に新しいからこれを手に入れなければいけない」というタイプの消費を指す。

     ほとんどの場合、今あるもので充分だ。しかし、それでは最新のものを持ちたいという

     欲求を満たすことができない。

     私たちは古くて長持ちするものや中古品よりも、新品で目新しいものをありがたがる。

     このメンタリティは、オルダス・ハスリーのファンタジー小説の古典、『すばらしい

     新世界』に描かれた「ユートピア」とそれほど違わない。

     そこでは子どもたちが生まれた時から消費はよいことだと刷り込まれる。

     新しいことそれ自体が何か大事なことだとされる。

     ハスリーの想像の世界では、子どもたちが寝ている間に、その耳元で教師こう囁く。

     「新しい服は素敵です。繕わずに全部捨てましょう—-古い服は汚らしい。

     古い服は捨てるのです。繕うと安っぽくなります」

 

     『すばらしい新世界』の支配者、ムスタファ・モンドの哲学は、「古いものを大切に

     させてはならない。新しいものを欲しがらせるのだ」

 

 

□ ライフサイクルの法則

 

     広告代理店は、製品が製造されてから消費者がそれを買うまでの時間を「タイムラグ」と

     呼んだ。

     この時間差を短縮するために、生産者は人々がより多くの製品をより早く買うよう仕向け、

     すでにニーズが満たされていようが欲望を生みだそうとした。

 

     計画的陳腐化は、製品を、時代遅れで魅力がなく、買い替えが必要に見せるために、

     自動車メーカーが練り上げた戦略だったが、それも充分ではなかった。

     よりよいものやより新しいものを買うかどうかを決めていたのは、まだ消費者だった。

     製造者はその決定権すら取り上げる必要があった。

 

 

この続きは、次回に。

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