シェア < 共有 > からビジネスを生みだす新戦略 ⑯
□ P2Pレンタル
たまにしか使わない資産を他人に貸し出して料金を取る、というのが、今続々と立ち
上がっている数多くのP2Pサイト、たとえばイーレント[erento]、アイレント2ユー
[irent2you]、レントマインオンライン[RentMineOnline]、アイレットユー[iLetYou]、
そしてジロック[Zilok]などに共通のビジネスモデルだ。
ランドシェアをとおして土地の所有者と農作物のつくり手がつながり、エアビーアンドビーを
とおしてホストとゲストがつながるように、貸したいものがある所有者と、それを必要な時にだけ
使いたい人が結びつく。
あまり使われないものの「余剰キャパシティ」が再分配されて、持ち主はそれまでただの
お荷物だったモノをおカネに変えることができる。
消費者が、文化に深く根を下ろした所有へのこだわりを乗り越えるためには、シェアが
所有よりも便利で、安全で割安になることが必要だ。
P2Pのレンタルサイトは、デジタルプラットフォームを使うことで、二つの高いハードルを
越えることができる。
ひとつ目のハードルは、シェアがそこに集中するようなハブをつくり、チョイスの多さと
使いやすさを兼ね備えた「クリティカル・マス」に届く量のものを揃えることだ。
貸し借りされる品物の多くは、「差し迫った」用事のために一時的に使われるものなので、
これはとりわけ大切だ。
P2Pレンタルのもうひとつのハードルは、安全性と信頼だ。
P2Pレンタルのサイトは数段階の安全対策をとっている。
まず、すべての取引は法律に基づいた契約によって裏づけられている。
また、借り手は保証金を払い込むように求められ、失くしたり盗まれたりした時のために、
保険をかけることもできる。
イーベイやエアビーアンドビーと同じように、評価とレーティングのシステムをとおして、
安心して貸せる相手かどうかをコミュニティが自主制御することができる。
□ シェアへの抵抗感をなくす
活用型PSSのもうひとつのカテゴリーは、値段が高い、なかなか手に入らない、あるいは
社会的ステータスといった、よくある参入障壁を取り除くものだ。
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□ サービス・エンヴィー
サービス・エンヴィー(それを利用することがステータスになるようなサービス)
サービス・エンヴィーとは「モノよりサービスを欲しがらせること」だと言う。
そして、そのためには持っているものではなくて利用しているサービスをとおして自分が
どんな人間かを相手に表現できるサービスをつくる、ことが必要だ。
便利で安全で魅力のあるサービスブランドやシステムをつくれれば、それほどたくさんの
ものを所有したいという欲求は消え、実際にその必要もなくなる。
PSPの成功のカギは、モノが少なくとも手の中にある間は、自分が所有者だと感じたいという
心の底にある欲求を満たすことにある。
独り占めするための何かを所有するよりも、自分の持ち物だと感じられることの方が大切だと
みんなが思いはじめている。つまり、だれのものかということや独り占めできるかどうかは
それほど問題ではなくなり、好きな時に自由に使えるかどうかがより重要になっているのだ。
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□ カーシェアを「かわいそう」から「かっこいい」に
「ジップカーはカーシェアを『かわいそう』から『かっこいい』に変えた。
ユーザーは、ひとつのモデルに縛られない『クルマの浮動層』になったのだ」
ひとつのものを複数の人が使えば、全く同じ製品のコピーをいくつも生産しては廃棄する
必要性がなくなってくる。
カーシェア一台分で、七台から八台の自家用車がいらなくなる。
自動車を売る人もいれば、二台目、三台目の自動車を買わなくなる人もいるからだ。
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この続きは、次回に。