ビジネスプラン参考資料-③の3「バランスの良い食事」と「認知症予防」
認知症の予防が期待できる生活習慣
高齢期はこれまでの生活習慣の集大成ともいえる時期。認知症も例外ではありません。
例えばアルツハイマー型認知症では、発症時にはすでに原因物質とされている
βアミロイドが相当蓄積されているといわれています。
発症前の生活習慣が、そうした疾患のリスクを上下させると考えられるのです。
また、長く効果的に認知症予防に取り組むという面では、特別なことを行うよりも、
認知症予防を意識した生活習慣を取り入れながら日常生活を送る方が長続きしそうですね。
● 食生活
食生活では、以下の点に意識しましょう。
✔ 低糖質・低塩分を心がける
糖尿病患者ではアルツハイマー型認知症と、脳血管性認知症の、いずれも発症率の
上昇が報告されています。同様に高塩分は高血圧による動脈硬化により、
脳血管性認知症のリスクを高めます。
これらの原因となる糖質・塩分を控えめにしておくことが、間接的に認知症を
予防します。
✔ いろいろな食べ物・飲み物をバランスよく摂る
緑茶やワイン、ココナッツオイルなど、特定の食物が認知症の予防によいと
いわれることがあります。
そうした情報に気を配り、それらの食物を適度に摂ることは望ましいのですが、
過剰に摂り続け食生活が偏ってしまうと、その食品による既知や未知のリスクを
引き出し、結果として体調に意図しない影響をもたらします。
例えば、緑茶も摂り過ぎればカフェインによる睡眠の質の低下をもたらします。
特定の食品、極端な食事法にこだわるより、多くのものをバランスよく摂取
することが大切なのです。
✔ 低たんぱく・低栄養に注意
肉や魚などを摂らない低たんぱくや、さまざまな栄養素をバランスよく摂らない
低栄養は、認知症を含めた多くの疾患の引き金となります。
たとえ一見1日3食食事をしているように見えても、麺類やパンのみなど主食が
ほとんどを占めている食生活では、肉や魚などのたんぱく質も、さまざまな栄養素も
摂れていないため、実質、低たんぱく、低栄養の状態にあることも少なくありません。
● スポーツ、楽器など体を使う活動
適切な運動は、生活習慣病からの認知症発症のリスクを下げるだけではなく、
脳を含めた全身の血行を改善することが期待されます。
スポーツや運動が身についたり、うまくなるようにと考えることは、脳を活性化
することにもつながります。
運動ではなくても、楽器の演奏や、編み物などの手芸、料理などの手作業など、
体の一部を使う活動を通して、脳を活性化できる生活習慣も効果的です。
● いつもの行動に頭を使う工夫を
知的作業と運動を組み合わせる活動も認知症予防の効果が期待されています。
例えば、ただ散歩をするだけでなく、目にする植物の名前を思い出しながら
歩いたり、知らない街を地図やガイドブックを参照に歩いてみたり、俳句や
短歌を作りながら歩くなどもよいでしょう。
● 人とのコミュニケーション
以上のような生活習慣も、人とかかわり、コミュニケーションしながら行えば、
さらに脳の活性化が期待されます。
親子で地図を頼りに散歩するなどもいいですね。
脳の健康を保つ生活習慣を、ぜひ仲間やご家族と一緒に取り入れてください。
この続きは、次回に。