お問い合せ

書籍「10年後の自分」を考える技術 ⑪

第2章 つながりをもとに未来を思考する「先読み力」

 

✔  チャンスは、準備ができている者だけにおとずれる

 

生化学の権威であるルイ・パスツールは、かつて「準備できる者だけ

(Only the Prepared Mind)」がチャンスをつかむことができると語った。

 

未来について思考したことのある人だけが、目の前を通り過ぎていこうと

しているチャンスに気づくことができる。そんな意味だ。

 

一度も思考したことがなければ、目の前のチャンスには到底気づけない。

そして、自分にはなかなかチャンスがおとずれないと嘆くことになる。

この章では、その「〝準備〟の仕方」についてのへれて行こうと思う。

 

「横のつながり」や「縦のつながり」について考えていくことで、いま

私たちが生きている「現在」を、少し奥行きのあるものとして見ることが

できるようになったのではないだろうか?

 

本当の主観とは、いったん客観を経てたどりつくものなのだと思う。

 

✔ まずは「ほぼ確実にやってくる未来」から考えよう

 

何度も言うように、いま私たちは不確実性のきわめて高い時代を生きている。

 

とはいえ、短絡的に「すべてが不確実だから未来なんて考えても無駄」とは

ならない。どうなるか本当によくわからないことから、ほぼ確実に起きるような

ことまで、不確実性にも「幅」があるのだ。

 

そこで、まずは「ほぼ確実にやってくる未来」から考え始めていくのがいいだろう。

見渡せば、そういった現象はそこかしこに転がっているはずだ。

 

ただし、ほぼ確実にやってくるにもかかわらず、私たちには、なかなかそうした

未来に対して事前に対処しようという考え、ましたや行動は生まれてこない。

なぜか?

それは単純に、考えるのは手間だし、先送りしたほうが楽だからだ。

 

✔  人口ピラミッドから見える「日本の未来」

 

確実にやってくる未来の典型が、月日の流れであり、人の年齢だ。

 

そう、2030年には総人口が2010年よりも1000万人以上減るのもさること

ながら、0歳〜19歳、そして20歳〜39歳の人口が急激に減っていく。

 

そう、いまさっき見た「2030年の日本の人口ピラミッド」にそっくりなのだ。

地方の一部では、日本の未来が縮図となってすでに表れている。

 

✔  なぜ地方は疲弊するのか?

 

「働き手が都会の都市へ流出することで地方の経済が活性化せずに疲弊する」

というのが、一段高い視点から見た今の日本の社会構造だと言えるだろう。

 

✔ 先送りでは問題は解決しない

 

「システム的な解」を政策として講じないかぎり、この構造はどんどん

加速するだけで、一向に改善はしないということだ。

 

確実におとずれる未来に対して座して待つのではなく、何かしらの改善策を

講じないかぎり、問題は解決しない。

 

先送りしても、拡張フィードバック的に問題が大きくなっていくだけで、

根本的な解決にはならない。

10年後に「10年前に手を打っておけばよかった」と嘆いても遅いのである。

 

✔  目先の解決策に飛びつくな

 

そのときに私が思ったのは、「短期的に良いと思える打ち手(不況期の

採用抑制策)は、長期的に見ると必ずしも良い施策とは一致しない」と

いうことであった。

 

私たちのまわりにも、「その場しのぎのやり方がしっぺ返しをくらう結果になる」

という経験はよくあるのではないだろうか。

 

結局、その会社は長期的な課題が「事前に見えた」ため、早めに対応を行い、

今では若手マネージャーが活躍する企業になっている。

このように、短期的な施策が長期的にインパクトを与える結果にならないか、

よく考える必要があるし、一時的にせよその場しのぎの弥縫策を実施しなければ

ならないときは、その「副作用」に対してできるだけ早く手を打つ必要が

あるのだ。

 

—インターネットより抜粋—-

 

「弥縫策(びぼうさく)」

一時のがれにとりつくろって間に合わせるための方策。

「弥縫策を講じる」

 

 

この続きは、次回に。

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