ブランディングが9割 ③
✔ ありがちな「ブランド」への誤解
ブランドの重要性が叫ばれている昨今、ブランドに対する誤解が多いのも
事実です。
確かに、ブランドにおいてデザインは、ロゴ、商品のパッケージ、カタログや
自社サイトなどを通して、ブランドのイメージを具体的に表現し、その
ブランドの世界観をお客さんに伝えるという役割があります。
しかしブランディングを伝える手段は、デザインのほかに、商品やサービス、
店頭での販促、店頭接客、各種メディア媒体、WEB、SNSなど、いくらでも
あるのです。
つまり、デザインや広告は、お客さんにブランドを伝える手段の一つに
過ぎないのです。
□「ブランド=高級品」ではない
ブランドには高級品だけでなく、低価格帯プランドもあるということです。
□ 口だけではブランドの価値は伝わらない
ブランドがつくられる要素はロゴだけじゃない、「商品にロゴを付ける
だけ」といった安易なブランドづくりをしてはいけないということが
おわかりいただけたと思います。
✔ 企業やサービスも「ブランド」である(ブランド体系)
ブランドというと「商品」のことを連想する人が多いのですが、それは、
ブランド力のある「商品」に触れる機会が多いからなのかもしれません。
しかし、「商品」だけではなく、「サービス」もブランドになります。
企業ブランドと商品ブランドは、それぞれ分けて考える必要があります。
組織に階層があるように、ブランドにも階層があるということです。
企業ブランドもあれば、事業ブランドもあります。
商品ブランドもあれば、商品のシリーズブランドもあります。
自社のブランディングを行う際は、こうした階層に分類し、認識しておく
ことが重要です。
■ 企業ブランド
企業全体を表すブランドのこと。
■ 事業ブランド
その企業内における事業体のブランド、または、商品・サービスの集合体と
なるブランドのこと。商品やサービスの集合体を「ファミリーブランド」と
いう場合もある。
■ 商品ブランド
商品ブランドとは、個々の商品やサービスのブランドのこと。
商品ブランドにはさらに「サブブランド」や「シリーズブランド」などがあり、
ブランドが多い企業は、階層を追加して考える必要があります。
例えば、「ローソン」というブランドの議論をするのであれば、企業ブランド
としての「ローソン」、事業ブランドとしての「ローソン」、商品ブランド
としての「ローソンセレクト」と、すべて「ローソン」が付くので、どこの
階層の話かを定義してから議論をする必要があります。
「ブランド」が使われる範囲としては、最近では商品やサービス、企業
ブランドに加えて、地域ブランドや大学ブランドに発展しており、ブランドが
使われる幅が広がっていると言えます。
この続きは、次回に。