ブランディングが9割 ⑤
✔ ブランディングとマーケティングの違いとは?
マーケティングとは、簡単に言うと、どこのどの分野を狙うか市場を
細分化し、誰に売るかターゲットを設定し、競合との違いを明らかに
するためポジショニングを決めた上で、「売れる仕組み」をつくることを
言います。
そのときにポイントとなるのが、いわゆる4P(Product<製品・商品>、
Price<価格>、Place<流通>、Promotion<宣伝>)の組み合わせ、「どんな
商品をいくらに設定するか」「どこで販売するか」を決め、「どのような
宣伝をして売っていくか」ということです。
4P戦略では、「誰に対して(WHO)何を(WHAT)どのように売るか(HOW)」を
考えることがとても重要です。ただ、顧客との関係が近い現代、SNS時代に
おいては、企業発信的な考え方の4P戦略から、4つのE(Experience<体験>、
Exchange<交換>、Everywhere<あらゆる場所>、Evangelism<伝道・伝播>の
4E戦略にシフトしています。
・Product<製品・商品> → Experience<体験>
「モノ」から「コト」の時代になり、経験や体験がより重要
・Price<価格> → Exchange<交換>
一方的な値付けではなく、「商品と貨幣との交換」という行為そのもの
・Place<流通> → Everywhere<あらゆる場所>
リアル店舗だけでなく、ネットなどいつでもスマホさえあれば購入できる場所
・Promotion<宣伝> → Evangelism<伝道・伝播>
一方的に広告で伝えるのではなく、口コミやメディアなどで顧客にどう
伝えるか
日本を代表するブランド論の第一人者、一橋大学院経営管理研究科の
阿久津聡教授は、マーケティング戦略におけるブランドの位置づけに
ついて、「顧客の心の中にブランドを構築し、資産としてのプランドの
価値を上げ、それを活用して収益を上げていくことがマーケティング戦略の
核」と述べています。言い換えれば、「マーケティング戦略の中心に
ブランドを置くこと」が重要であり、ブランディング活動とは、マーケ
ティング活動、すなわち4P(または4E)を通じて、また一貫したタッチ
ポイントを通して、お客さんの頭の中にブランドをつくるということです。
つまり、4P(または4E)はブランドをお客さんに伝える手段であると言えます。
それぞれのマーケティング活動の中心にブランドを置くことがとても重要です。
また、マーケティングが比較的、短期的な収益に視点を置くのに対して、
ブランディングは中長期的な収益に視点を置くという違いもあります。
ビジネスを成長させる事業が成功しなければ意味がありません。
ですので、ブランディングを行うに際しては、しっかりとしたマーケティング
戦略がたてられていることも大切です。
この続きは、次回に。