ブランディングが9割 ⑩
✔ 自社が気づいていない強み・課題を探す
自社でいくら議論しても自社の良さに気づけないということはあるでしょう。
ドラッカーは、「誰でも自らの強みについてはよくわかっていると思う。だが、
たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。
それさえ間違っていることが多い」と言っています。
■「ジョハリの窓」の活用
そこで紹介したいのが「ジヨハリの窓」です。
これは、サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・
インガムが発表した「対人関係における気づきのグラフ」のことで、これを
後に、二人の名前を組み合わせて「ジョハリの窓」と呼ぶようになったそう
です。自分が見た自分と、相手から見た自分を4つに分けて自分を理解すると
いうものです。よく、自分の良いところは自分自身が一番わかっていないと
言いますが、ブランドについても同様のことが言えると思います。
自社では当たり前と思っていたことが、見方を変えたら実は最大の強み
だったということもあるでしょう。
盲点の窓を活用し、「そんな素晴らしいところがあったのか!」をぜひ
探しましょう。
■「盲点の窓」—自分はわかっていないが、相手は知っている領域を探そう。
では、どのようにすれば、自社ブランドの「盲点の窓」を見つけることが
できるのでしょうか。そこで、「自分たちでは気づかなかった、自社の
強み」を探す方法について、費用をかけずに行えるものをいくつか紹介
しますので、ぜひ活用してください。
1. 実際のお客さんに聞く
顧客に直接、自社のブランドについて聞くことで、自社の強みがわかる
ことがあります。
お客さんがそのブランドを選択するには、それなりの理由があるからです。
2. ネット上の口コミから情報を得る
ネット上の口コミや書き込みから商品やブランドに関する情報を入手するのも
よいでしょう。SNSや評価サイトの書き込みは、誰かに忖度せず書かれている
ことが多いので、ホンネの意見を探すことができます。
ネット上の書き込みはとても参考になります。
3. お客さんになりきる
自分自身がお客さんになりきり、自社の強みや課題点を考えるのも一つです。
一切の業界の知識、今まで培ってきた経験などの固定観念を捨て、お客さんに
なりきって議論してみましょう。
その際、どんなお客さんなのか、具体的なお客さん像をイメージすることが
ポイントです。そして、その人になりきり、その人ならどういう行動をとるか、
お客さんになったつもりで、自社や競合の商品を購入したり、競合のサービスを
受けてみたりするなど、徹底的に強みや課題点を比較してください。
視点を変えることで、自分たちが気づかなかったことに気づくことがあるで
しょう。
4. 新入社員や競合他社から転職してきた社員に聞く
新入社員や競合から転職してきた人が自社内にいるなら、ぜひ自社のことに
ついて「他社の視点」で今までどう見ていたのかを聞いてみましょう。
競合からわざわざ転職してきたということは、その会社の魅力があって
入社したということが考えられるので、自社の魅力を存分に語ってもらいま
しょう。
5. 営業担当や店舗など、お客さんに一番近い従業員に聞く
店舗を持つ小売などのサービス業であれば、店舗で働く現場の従業員に、
自社について聞くのも良いでしょう。
店舗の従業員は直接お客さんと接する機会が多いので、より客観的な立場で
自社のことを見ているはずです。
6. 従業員の家族・友人に聞く
従業員の家族や友人といった人たちも、貴重な意見をもらえる方々です。
実際にインタビューしてもいいでしょうし、アンケートをお願いしても
協力してもらえるはずです。
この続きは、次回に。