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ブランディングが9割 ⑭

✔ 顧客のホンネ(インサイト)の探り方

 

では、インサイトはどのように探ればよいのでしょうか。

 

なぜそのような行動をとったのか、よく観察し、深堀りすることではじめて

「ホンネ」を見つけることができます。

調査会社ほど精度は高くありませんが、ここでは、コストを抑えてできる、

行動観察をもとにしたインサイトの探り方について簡単に紹介します。

 

・インサイトの探り方

 

1. 購買前後の行動を細かく分けて予想する

 

カスタマージャーニーとも呼ばれる考え方ですが、まず、対策とする商品に

ついて、対象となるお客さんの購買前後の行動を予想していきます。

その際、「購買前」「購買時」「購買後」と分けます(例えば店舗なら、

「店に入る」「売り場に行く」「棚を見る」など、それぞれの状況に応じて

細分化し、考察すると良いでしょう)。

購買前なら、友達に紹介され、気になってWEBでチェック、のように分けて

いきます。購買後なら、購入した商品を使用したり、SNSにアップしたり、

友達に共有したりもするでしょう。

どういった行動をするかを詳細に予想していきます。

その後、それぞれの購買前後の行動に対して、「このお客さんなら、ここで

こうするのではないか」など仮説を立てていきます。

観察の対象者は、ターゲットに近い友人や家族でも構いません。

ふさわしい人が見つからないのであれば、自身でターゲットになりきり、

「ターゲットならどうするか」を想定しながら実際に購買行動を起こすことで、

何か見えてくるかもしれません。

何もやらないよりは、やった方がよいでしょう。

また、ターゲットの日々の暮らしを観察することで、ヒントが見つかることも

あるでしょう。

ターゲットが行きそうなお店や街、カフェなどに、ぜひ出かけてみてください。

 

2. 購買前後の行動や日々の暮らしを観察する

 

次に、対象となるターゲットが購買前後でどのような行動をとるのか、

実際に観察していきます。

観察するときは、「なぜそのような行動をとったのか」など、疑問に思うことは

すべて書き出していきます。気になるところは、行動観察が終わったあと、

観察対象者に質問をしてみるのもよいでしょう。

 

3. インサイト探しワークショップ

 

それぞれ事実となる要素が揃ったところで、ブランディングを担当する人たちで

集まり、ワークショップを行います。

それぞれ集めた「なぜそうしたか?」に対して、「もしかして、こういうこと

なんじゃないか?」など仮説を立てて、インサイトを探っていきましょう。そこにキーとなるインサイトが隠されているかもしれません。

 

担当者が自ら現場に身に行くことで、センスのある、良いインサイトを探す

ということもできるでしょう。例えば、次のようなケースです。

 

● インサイトの例

 

ある共働きの忙しい主婦は時間がない中、夕食にレトルトのパスタソースを

利用していました。通常、パスタソースはお湯で温めてスパゲッティに

そのままかけて使うのですが、その方は、ひき肉やなすをフライパンで炒め、

そこにパスタソースを流し込んでいました。

つまり、ひと手間加えていたのです。

なぜひと手間加えたかと聞くと、「レトルトもひと手間加えた方が美味しいし、

まさかレトルトを使っているとは思わないでしょ」とのことでした。

忙しい中、時間がない中の料理といっても、さすがに、インスタント麺や

レトルト食品だけだと、愛情がないと思われてしまう。

だからレトルトを使っていると思われたくない」と考えていることでした。

つまりインサイトは、「家族に手抜きと思われたくない」ということに

なります。レトルト食品を使うことについて、「手を抜く=罪悪感」が

どこかにあったのかもしれません。

こういった主婦に対しては、たとえレトルトだとしても、お母さんの愛情を

感じさせるものや、時間がない中でも手抜きと思われないようなものが

提案できるでしょう。

 

 

この続きは、次回に。

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