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ブランディングが9割 ⑲

✔  差別化をわかりやすくする「ポジショニングマップ

 

競合との差別化をわかりやすく表現するツールに、ボジショニングマップが

あります。

縦と横の2軸に分け、競争市場で自社プランドを誰もいない領域に置き、

競合を追いやった状態にして差別優位性があることを視覚的に表現した

図のことです。

 

ポジショニングマップの役割は、あくまでお客さんの頭の中に自社の強みを

活かし、お客さんが重視するところがどこなのかを視覚的に表現すると

言うことです。

視覚的に、その領域に競合がいない状態(競合を追い出す状態)をつくり出す

ということが目的です。

 

ポジショニングマップの良い点としては、社内へ非常にわかりやすく

ブランド戦略が伝わるということが挙げられます。

難しい用語が並んだ解説書や、説明が何分も必要な資料よりも、2軸で

描かれたイラストに、「私たちのブランドが行くところはココです。

競合との違いはこれです」と示してあげた方がよっぽどわかりやすいのです。

また、従業員にわかりやすいということは、お客さんにもそのブランドが

どうしたいのかが非常に伝わりやすいことを意味しますので、ぜひ活用

してください。

 

・ポジショニングの軸の取り方

 

ポジショニングマップをつくる際、自社の強みを活かすことができ、

ターゲット顧客が求めているところを基本に、軸を2つつくります。

その軸はブランドが持つ機能や、特性、ブランドのターゲットの属性など

から構成されます。

 

軸を考えるときのヒントを、以下に紹介します。

 

● ブランドの機能的特性

 

強い、弱い、大きい、小さい、重い、軽い、遅い、速い、多い、少ない、

固い、柔らかい、濃い、薄い、新しい、古いなど。

 

・ダイソンの掃除機は「吸引力の強さ」

・ライオンのバスタブクリーナーなら「こすらない(で汚れが落ちる)」。

 

● ブランドの情緒的特性

 

親しみやすさ、高級感、シンプル、ファッショナブル、おしゃれ、気軽、

さわやか、優雅さ、安心、革新性、カジュアルなど。

 

家電メーカーのバルミューダは、製品の機能性の高さはもちろんのこと、

極力無駄を省いたシンプルでおしゃれなフォルムのデザインにし、今までの

日本の家電メーカーにはない軸を引くことで差別化に成功しました。

 

● 場所やシーン

 

山、海、川、オフィス用、家庭用、オンライン、オフライン、電車の中、

自宅、会議、商談用、都市、地方、駅前など。

 

ライザップのようなエクササイズが「リアル」なら、ちょっと古いですが

TRFやビリーズブートキャンプなどのDVDを見ながらできるエクササイズは、

「自宅」と言えるでしょう。

今ではYou Tubeなど「オンライン」のサービスもありますね。

 

スターバックスは、家庭でもオフィスでもない「第三の場所」という軸を

持つことで成功しました。

ドラッグストアのマツモトキヨシは「駅前」という立地の強さで成功して

います。また、コンビニのセイコーマートは、「全国」を対象としたセブン-

イレブンに対抗し、「北海道」と地域を限定することで、地域に愛される

コンビニとして成功しています。

 

● 時間

 

朝用、夜用、昼用、24時間など。

 

アサヒ飲料の缶コーヒー「WANDAモーニングショット」は「朝用」と軸を

区切ることで成功しました。

化粧品には「寝る前」や「朝起きてから」と細かく区切られている商品も

あります。また、今でこそ問題となっていますが、当時は「24時間営業」は

差別化の一つと考えられていたのです。

 

● ブランドターゲットのデモクラフィック的属性

 

年齢、年代、世代、男性向け、女性向け、子供向け、家族向けなど。

 

任天堂のWiiは、「個人向け」のプレイステーションに対抗し、「家族

向け」という軸を設けて成功しました。

ハーゲンダッツは、子供向けと思われていたアイスをあえて「大人向け」と

することで成功しました。

また、50代向けと年代を絞ることで成功した化粧品ブランドもあります。

 

この続きは、次回に。

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