お問い合せ

ブランディングが9割 ㉗

・ロゴ製作におけるポイント

 

ロゴデザインは基本的には、ブランドの「らしさ」を表すものです。

覚えやすく、見やすく、個性的で印象的なデザインがよいでしょう。

その上で、以下に注意しながらデザインを進めていくことをお勧めします。

 

1. 自社の想いを表現する際に意味を持たせる

 

ロゴは、自社のブランドを表現する場所です。

「我々のブランドはこうしたいんだ!」という想いをのせる場所とも

言えます。そのブランドならではのブランドエッセンスや特徴、提供

価値などをロゴで表現できるとよいでしょう。

 

イオングループの「イオン(AEON)」は、ラテン語で永遠を意味します。

ロゴのAとEの間に、特徴的な輪のアイコンデザインがありますが、これは

永遠に回り続ける輪を意味し、「人間性にもとづく永遠の世界観と平和への

概念」と「グループとしての一体感」の象徴として描かれたものだそうです。

また、イオンに提供する電子マネー「WAON(ワオン)」の犬の首にある

リングは、この輪と同じものです。

 

2. 文字が読めるロゴの方が覚えられやすい

 

スターバックスのロゴから文字がなくなったのはつい最近です。

文字のないロゴは一見、格好よく見えますが、アイコンだけでブランドを

認識してもらうのは非常にハードルが高いので、あまりお勧めはしません。

ブランド名が広く認知されていることが前提としてあり、アイコンのみの

ロゴが成り立つのです。

認知を高めたいブランドにとっては、「いかに早くブランドを覚えて

もらうか」がとても大切です。

そのためには、文字の視認性が高く、読みやすく発音しやすいロゴデザインが

よいでしょう。

 

3. 実際に使われることを意識してロゴデザインを表現する

 

自社のロゴが、商業店舗や商品パッケージ、WEBサイトなどの具体的な

対象物に、上手に表示されることを逆算してデザインを考えるようにしま

しょう。

例えば、あまりに複雑なデザインのロゴにしすぎると、印刷で表現でき

ない場合があります。ドットが小さすぎて印刷では潰れてしまい、きちんと

表現できなかったと言う話を実際に聞いたこともあります。

また、ロゴデザインに使った色数が多すぎたため、印刷時に色を再現する

ことが難しく、都度対応に苦労しているというケースもあります。

 

4. どこかで見たようなデザインにはしない

 

「あれ、このロゴどこかで見たことある」とか、「このロゴ、何かに

似てない?」と言われるようなデザインは極力避けたいところです。

 

似たようなロゴデザインが登録されているかは、特許情報プラットフォーム

(J-PlatPat:https//www.j-platpat.go.jp/)のWEBサイトの「商標」から

「図式等分類表」の中の「分類表」を選ぶことで検索することができます。

または、特許事務所に相談するのもよいでしょう。

 

5. 人に自慢したくなるか

 

海外には、そのブランドが好きすぎてロゴのタトゥーを体に入れてしまうと

いうほど熱狂的な人がいるそうです。タトゥーとまではいかなくても、

「人に自慢したくなるか」という視点はとても重要です。

 

例えば、「レジ袋に入れて持ち歩きたいと思えるか」「ラップトップに

シールを貼りたいと思えるか」などが重要な視点です。

 

・フォントはどうするか

 

みなさんご存知のように、同じ言葉でもフォントによって読みやすかったり、

読みにくかったりします。また、流行りのフォントも存在します。

ブランドのロゴを決めるときは、イメージに合っているかどうかを重視し、

フォントを選択するとよいでしょう。

 

日本語のフォントには様々な種類がありますが、大きく「明朝体」「ゴシック体」

「毛筆体」に分けられます。

「歴史」や「伝統」というイメージには明朝体、毛筆体が該当し、「明るさ」とか

「ポップな」となれば、丸ゴシップ体が該当するでしょう。

 

最近では、UD(ユニバーサルデザイン)フォントが注目されています。

これは、「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザイン」というUDの

基本コンセプトからつくられるフォントで、「読みやすさ」や「読み間違いを

しない」ことなどに注力したフォントです。

 

いずれにせよ、自社のブランドの「らしさ」とロゴの世界観がマッチしている

ことが重要です。

 

バルミューダやダイソンなど、近年流行りの家電のロゴを見ると、「新しい」とか

「おしゃれ」というようなイメージになるのではないでしょうか。

ターゲットやブランドが目指す姿など、ブランドのポジショニングが変われば、

ロゴのデザインやフォントのイメージも変わります。

その際も、やはり「ブランドとして提供したい価値」と「お客さんが受け取る

イメージ」がマッチすることが大切なのです。

 

 

この続きは、次回に。

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