ブランディングが9割 ㉘
・ブランドカラーの決め方
人は文字より色で瞬時に判断する生き物なのでしょう。
そのことから、ブランドづくりにおいても、色(キーカラー)はとても
大事な要素になります。
色からブランドを連想できるということは、キーカラーの選定次第で、
お客さんに覚えられやすく、印象のあるブランドになるということです。
色にはそれぞれ、連想される言葉があります。
赤:情熱、興奮、暑い、活動的、喜び、燃える、激しい、愛情
黄:明朗、快活、躍動、のどか、前進的
緑:さわやか、若さ、平和、新鮮さ
青:静寂、涼しさ、開放感、知性、清潔
紫:高尚、優雅、魅力、あでやかさ、高級
(『カラーコーディネーター検定試験3級公式テキスト<第4版>』東京商工
会議所編/中央経済社【図・表2-4】「色の連想-象徴語」より抜粋)
例えば、低価格を訴求するブランドは、赤や黄色など原色を使う傾向が
あります。逆に、高級なものには、金や銀、黒などのダークトーンが
使われることが多いです。
細かく分ければ、色の種類はたくさんあるので、ブランド戦略に合った
色をデザイナーに提案してもらうとよいでしょう。
ブランドのロゴやキーカラーを選定する際には、ブランドのエッセンスや
提供価値など、コンセプトとのマッチングがよい色を1〜2色、選定すると
良いでしょう。
・その他の視覚的なプランド要素
ここまでブランドロゴ、フォント、カラーについて紹介しましたが、他にも
ブランドコミュニケーションを行う際に重要となる視覚的なブランド要素が
あるので紹介します。
● カラーチャート
ブランドのキーカラーは通常1〜2色ですが、広告などの製作物を作成
する場合、キーカラーだけだと、ブランドコミュニケーションにおける
広告物としての表現が難しいでしょう。
その際は、何色か追加して制作する必要があります。しかし、バラバラな
色を使うと、ブランドの統一感が崩れて、「らしさ」が伝わりません。
その際にカギとなるのが配色です。
ブランドのカラーチャートをつくり、色のトーンを揃えたり、寒色系の
色で揃えたりすることで、統一感を出すことができます。
● キービジュアル
ブランドの象徴的なイメージを、写真やキャラクター、グラフィック
デザインなどで表したものを「キービジュアル」と言います。
これを用意しておくととても便利です。
WEBサイトのトップページに使ったり、メディアからの取材後にキー
ビジュアルを求められたりすることがあります。
● ビジュアルイメージ
ブランドコミュニケーションの際、様々なタッチポイントでの表現に
使われるのが、写真などのビジュアルイメージ画像です。
撮影する場合もあれば、有料素材を使用する場合もあるでしょう。
撮影の角度(真俯瞰、斜俯瞰など)やビジュアルの色、トーンなどを合わせる
ことで統一感を持たせることが必要です。
例えば、アパレル業界では、ブランドごとに「ルックブック」を作成します。
ルックブックとは、そのブランドのコンセプトやブランドのイメージを
まとめたものです。
統一された世界観がひとつの冊子にまとめられているので、WEBや広告物を
制作する際に参考になります。
● デザインシステム
店舗や商品パッケージ、WEBサイトなどの統一するために、使用方法を
決めるのがデザインシステムです。
言い換えれば、デザインに関するあらゆることを構造化したもののことです。
例えば店舗であれば、屋内や屋外、路面店、郊外型店舗など、各種フォー
マットがありますが、基本デザインシステムで全体の統一感を出し、各
店舗のフォーマットで展開のデザインを出し、お店ごとに統一感を出すよう
対応します。その他に、タッチポイントごとにデザインを展開するコミュニ
ケーションのデザインシステムなどもあります。
重要なことは、目指す姿をしっかり見た目(ビジュアル)で具現化し、統一感を
出すことです。
そうすることで、ブランドの「らしさ」が生まれていきます。
この続きは、次回に。