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書籍「すごい物流戦略」DHL①

第5章 DHLの物流戦略

 

● 売上げはヤマト運輸の約5倍、利益は10倍以上の巨大企業

 

DHLというと、少し上の年代の方の中には、FedExやUPSとならぶ国際

宅配便の会社をイメージする方が少なくないと思います。

しかし現在、DHLという場合、その当時の規模を遥かに凌駕した世界

最大級のロジスティックスカンパニーを意味することが一般的です。

その背景にあるのが、ドイツの郵便事業を独占的に行なっていたドイツ

ポストによるDHL Internationalの買収です。

2002年、DHLを完全子会社化したドイツポストは、社名をドイツポスト

DHLグループ(以下DHL)に変更しました。

DHLは、EC(Electronic Commerce)の急成長に支えられているPost-

eCommerce-Parcel(郵便・宅配)、Express(国際宅配便)、Global

Forwarding Freight(国際貨物輸送)、Supply Chain(3PL:サードパーティ

ロジスティックス)の4つの事業を柱に、売上高604億4400万ユーロ

(2017年決算。約7兆8600億円<1ユーロ=130円換算>、EBIT(支払い利息や

税金を引く前の利益)37億4100万ユーロ(約4863億円)を稼ぐ巨大企業です。

ちなみに、ヤマト運輸の持株会社ヤマトホールディングスの営業収益

(売上高に相当)は1兆5388億円(2018年3月期)、営業利益は356億円です

から、その巨大さはご理解いただけるでしょう。

 

こうした国家的な施策により、わずか10年の間に、国の独占事業から、

民営化、さらには完全自由競争の変化(=ドイツポストとしては経営環境の

悪化)に見舞われたわけですが、その対抗策として物流事業への本格参入

へと経営の舵を切ることで、成長・拡大への道を切り拓くことができま

した。

当時のドイツポストによる企業買収の本格的なスタートは1998年です。

この年、DHL International(以下、旧DHL)の株式を23%取得したのを

はじめ(2002年に完全子会社化)、フランスの宅配会社Ducros、米国の

国際郵便配送会社Globalmailを買収。翌1999年には世界第3位(当時)の

物流企業だったスイスのDanzas、2003年には米国第3位の国際宅配会社

Airborne Express、さらに2005年には当時世界最大の3PL企業だった英国の

EXELと、相次いで大型の企業買収を行って行きました。

 

 

 

この続きは、次回に。

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