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書籍「すごい物流戦略」オムニチャネルと物流戦略⑤

● ニトリの都心店舗では、商品の持ち帰りを不要

 

繰り返しになりますが、オムニチャネルは「どんな注文方法にも、どんな

受け取り方法にも対応する商売」の仕組みです。そのオムニチャネルを

実践する方法としてどのようなものがあるか、具体的に見ていくことに

します。

本書内でも何度も出てきますが、アマゾンは地球上で最もお客さんを大切に

する企業であることをめざしています。お客さんが便利と思うことで、

いまだ世にないようなものがあれば、自分たちで開発してしまうという

会社です。ですからアマゾン発による、新しい注文方法がいくつもあり

ます。

 

2016年12月、日本のアマゾンでも「Amazon Dash Button」(アマゾン

ダッシュボタン)の販売が開始されました。

日用雑貨や食品・飲料、ペット・ベビー用品など、具体的には「アタック」

「シーブリーズ」「エリエール」といったブランド名がプリントされた

ボタンを押すだけで、その商品をアマゾンに注文することができます。

 

2018年4月からは、ボタンではなく音声で注文する、スピーカー型音声

アシスタント端末「アマゾンエコー」が日本で発売されました。

ヒトの言葉(音声)を認識して応答もできるAI(人工知能)「アレクサ」を

搭載しており、〝音声執事〟とも呼ばれています。

AI搭載というだけであって、アマゾンの注文はもとより、ネットワーク上の

機器やネットのサービスを自動的に操作し、会話しながら天気予報や

スケジュールを確認したり、宅配ピザを注文することができます。

米国では、商業施設ひとつとっても、日本とはスケールが違います。

そのため、広い店内をナビゲートしながら、探している商品の棚のところ

まで連れていってくれ、商品を確実に購入できるようサポートしてくれる

スマホを提供する流通小売業が増えています。

 

大型家具専門店のネブラスカ・ファニチャー・マートのアプリは、店内に

入ってアプリを立ち上げ、例えば「ソファーの売場を教えて」と音声入力し、

希望する商品を指定すると、街中での道案内のごとく、その商品が置かれて

いる場所までの進路を教えてくれます。

大手ホームセンターのホームデポは、広い店舗の割に店員も少なく、商品を

見つけられないことで知られています。

ホームデポで提供しているアプリでは、商品が店内のどの棚にあるのか、

在庫数量はどれだけあるのか示してくれるほか、ライブチャットにより、

商品情報の詳細を確認することもできます。

店内案内用のアプリにライブチャットの機能を持たせる発想は、巨大な

店舗スペースを誇る米国ならではのことだと思います。

日本の企業でも、新しい注文方法に取り組んでいる企業があります。

第2章でも取り上げた、大型家具・ホームファッション販売の最大手、

ニトリです。

 

これまで都心型の店舗では、電車など公共の交通機関を利用して来店する

お客さんが多いため、直接持って帰ることが可能な家庭用雑貨の品揃えを

充実させてきましたが、限られたスペースの中では店舗で十分な商品の

在庫を抱えることはできません。それならばいっそのこと店内すべてを、

生活シーンを感じられるショールームにしてしまおうと試みたのが、この

「手ぶらdeショッピング」です。このニトリ渋谷公園通り店に来れば、

大型家具から、カーテンなど自宅配送を希望することが多い商品、持ち

帰りの容易な商品のいずれでも、店舗でまとめて注文することが可能です。

利用者から好評なことから、今後、都心エリアに出店するほかのニトリ

店舗でも展開していく計画です。

 

 

 

この続きは、次回に。

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