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Coffee Blake-令和3年3月25日(木) 「回顧2020」

本日は、新聞記事の整理をしておりました。

 

その際、「回顧2020 ソニーとパナソニック 開いた差」の記事に目が

止まり、「代表のブログ」でご紹介したいと思います。

2020.12.27掲載の記事となりますが、ご参考になれば幸いです。

 

2021.3.25

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 


 

「回顧2020」

 

 〜ソニーとパナソニック 開いた差〜

 

変革・創造—試される経営

 

新型コロナウイルス禍に明け暮れた2020年は多くの企業の明暗を分けたが、

日本における代表例が20世紀の家電の両雄、ソニーとパナソニックだ。

 

「明」のソニーは業績快調。コロナ禍による「巣ごもり消費」が追い風に

なってゲームや音楽などが成長し、21年3月期の最終利益は前期比37%増の

8千億円を見込んでいる。

一方のパナソニックは長引く低迷から抜け出せない。

 

コロナ禍で鮮明になった両社の明暗。その要因を一言でいえば事業構成の

トランスフォーメーションを着実に進めたソニーに対し、パナソニックは

事業モデルの刷新に立ち遅れたことだ。

 

三菱各社も停滞

 

20年は「日本最強の企業集団」と呼ばれる三菱グループ創立150年の節目

でもあった。だが皮肉なことに三菱重工の国産ジェット旅客機の事業化

凍結など、明るいニュースよりも暗いニュースが目立った1年だった。

市場での評価を見ても「御三家」とされる三菱重工、三菱商事、三菱

UFJ銀行(株式銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ)の株価純資産

倍率(PBR)は1倍を大きく割り込む場面が常態化している。

 

未来に向けた新たな価値を創造するのではなく、逆に株主価値が今後、

毀損していくと市場は予測しているのだ。

名門企業の足踏みという点でパナソニックも三菱各社も似通っている。

そこから脱却する有力な道筋がイノベーションの活性化だ。

 

例えば三菱グループの一員であるキリンホールディングスは「両利きの

経営」を標榜する。

ビールをはじめ既存事業は改良を重ね、コストを削り、商品力を磨いて

競合を上回るオペーレーション・エクセレンス(卓越した業務の遂行能力)を

確率する。いわば既存事業の「深堀り」だが、同じ場所を掘り続けるだけ

では、いずれ限界に突き当たる。

そこで重要なのは既存事業の外に目を向け、新たな市場機会を「検索」

する活動だ。

キリンHDは免疫効果を優れる「プラズマ乳酸菌」などのヘルスケア領域を

検索事業と位置づけ、同社の磯崎功典社長は「自分のエネルギーの7割の

検索ビジネスに振り向けている」という。成果を生むかどうか不確実な

検索事業はトップの強いサポートなしには、推進力が失われるからだ。

両利きの人が右手と左手を巧みに操るように、企業も「深掘り」と「検索」の

双方を上手にこなすことで、持続可能な成長に道が開けるのだ。

 

伸びるEV向け

 

コロナ禍でますます脚光が当たっているのがESG (環境・社会・企業統治)だ。

なかでも地球温暖化問題をはじめ「E」については、多くの国が今後の

成長ドライバーと位置づけ、力を注いでいる。

例えば、コロナ下でも急速に伸びている商品の代表例が電気自動車(EV)だ。

日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者は「今後のEVブームは間違い

なく本物。あと5年でガソリン車とEVの実力が逆転し、EVが一般的になる

30年には自動車の値段は5分の1になるだろう」と大胆に予測する。

永守会長によれば、自動車各社がエンジンのような基幹部品を独自開発

している現状は、各コンピューター会社がそれぞればらばらに独自の基幹

ソフト(OS)を開発・搭載しているような状態で、規模の経済が動かず、

効率が悪い。一方でEV化が進めば、部品の標準化が進み、例えば駆動用

モーターは日本電産が各自動車会社に手広く供給する時代が到来すると

いう。

そうなれば自動車の生産コストや価格は急低下。今はマイカーによる

「移動の自由」を享受できない低所得層や新興国の人でもEVに手が届く

ようになり、現在年間1億台弱の新車市場の爆発的な広がりも期待できる

かもしれない。大事なのはこうしたビジョンに即し、開発や量産投資を

着々と進め、自ら描いた未来構想を現実にたぐり寄せることだ。

先行きが混沌とする現在の経営者に求められるのは、時代への「対応」

ではなく、時代の「創造」だ。(編集委員 西條郁夫)

 

在宅増加、ヒットの土台に

 

新型コロナウイルスの感染拡大で働き方や暮らしは一変した。

感染防止のため外出を控え、仕事や生活の中心は家の中にシフト。

2020年にヒットした商品やサービスも在宅を土台にしたものが目立った。

在宅勤務が広がり、一気に普及した「Zoom(ズーム)」などのビデオ会議

システムだ。

ビデオ会議に使う商品もヒットした。

娯楽のヒットも家の中から生まれた。

ライブ・エンターテイメント業界でもデジタル化が加速した。

家の中にいる時間が長くなるにつれ、消費者は外出欲求をため込むように

なる。それが表れたのがアウトドア。

密になりにくいレジャーとしてキャンプ場がにぎわった。

そしてエンタメ分野で最大のヒットが「鬼滅の刃」だ。

 

ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏は「20年の個人消費は巣ごもりをきっ

かけに動いた。この流れは新型コロナのワクチンが普及するまで続く」と

みる。企業は21年も消費者が在宅をきっかけとして何に興味を持つのかを

探る必要がありそうだ。

 

 

「在宅増加、ヒットの土台に」

 

● 在宅勤務ツール

 ・オンラインツール—仕事、学校、イベントなどで「Zoom」など

  ビデオ会議ツールの利用が定着。

 ・骨伝導イヤホン・ヘッドホン—耳を塞がないため在宅勤務時にながら

  作業をしやすい。

 

● おうち時間充実・エンタメ

 ・あつまれどうぶつの森—無人島で仲間をつくって街づくりを進める

  任天堂のゲーム。3〜9月で国内で818万本販売。

 ・有料ライブ配信—サザンオールスターズの有料ライブの推定視聴者は

  約50万人。

 

● おうち時間充実・食事

 ・おうち料理—加工食品のほか、電気調理鍋などの調理家電も売れた。

 ・フードデリバリー—外食を控えたいが料理をしたくないニーズを

  捉えた。

 

< 参考 >

 

● トランスフォーメーションtransformation

変形。 変化。 変質。 変換。

 

● 刷新

弊害を除き去って、全く新しいものにすること。「人事を刷新する」

 

● 毀損

1. 物をこわすこと。物がこわれること。「器物を毀損する」

2. 利益・体面などをそこなうこと。「名誉を毀損する」

 

● 標榜

1. 善行をほめたたえ、その事実を記した札を立てて世に示すこと。

   また、その札。

2. 主義・主張などをはっきりと掲げ示すこと。

   「自由と民主主義を標榜する政党」

 


 

いかがでしたでしょうか。

 

・事業構成のトランスフォーメーションを着実に進める。

・事業モデルの刷新。

・イノベーションの活性化。

・既存事業の「深堀り」と新たな市場機会を「検索」する活動。

・「両利きの経営」。     等々

 

いろいろ参考になった記事でした。

 

2021.3.25

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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