Coffee Blake-令和3年3月20日(土)「助け合って何かを行う」
新型コロナウイルス の影響拡大で、企業同士の結びつきが広がっております。
異業種・異業態によって、積極的に進めている企業もありますし、消極的な
企業もあります。
私は、社会人時代から、会社の組織図を例にするならば、担当部署-営業部・
人事部・総務部・経理部・事業部等々のスタッフは、外部ブレーン-外注で
良いと考えておりました。ただ、担当部署の責任者-例えば、取締役経理
部長等は、実務経験者であり、社内の生え抜きであれば、と思っており
ました。当然、能力がある方が前提ですが。
さて、この頃、新聞等では、業務委託、業務請負、業務提携、協業等を
よく目に致します。
今更ですが、一度、この言葉の意味を「おさらい」してみたいと思います。
2021.3.20
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤弘美
● 業務委託
会社員や派遣社員とは異なり、会社と雇用関係を結ばず、対等な立場で
業務を遂行します。
会社から指揮命令を受け、労働力を提供する会社員・派遣社員に対し、
働き方に縛られず仕事を行えるのが業務委託です。
働いた時間ではなく、業務の遂行または成果の提供によって収入を得ら
れるという点が、会社員・派遣社員と大きく異なります。2020/03/20
● 業務請負
業務請負とは、社外の事業者に委託するアウトソーシングの一種であり、
民法においては請負契約のことをいいます。
民法第632条では、以下のように定められています。
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその
仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その
効力を生ずる。2020/06/29
● 業務提携
業務提携とは、独立している企業同士が資本関係を築かずに業務上で協力
関係を築くことで、アライアンスともよばれます。
技術や人材などの経営資源を持ち寄り、技術協力による共同開発などを
行うことで、コスト削減や新商品の開発など、さまざまなシナジー効果を
生み出すことを目的としています。相手企業のノウハウや販売網などを
低コストで活かせることが特徴です。
英語ではBusiness partnershipと表記します。
業務提携を実施した経験がなくても、他社から打診されたことがある方も
いるかもしれません。しかし、業務提携の概要やメリット・デメリット
などの基礎知識を理解しているでしょうか。
「競業」「協業」「提携」
「連携」の違い
□ 競業・協業・提携・連携の違いについて
「助け合って何かを行う」という意味の言葉には、さまざまな種類が
あります。特に社会人になると、「協業」や「提携」といった言葉に
触れる機会も多いでしょう。
しかし、これらの言葉が具体的にどのような意味を持つのかは、実は
よくわからないという人も多いと思います。
そこで今回は、「競業」「協業」「提携」「連携」という4つの言葉に
ついて、それぞれの意味と違いを詳しく解説していきます。
● 競業とは
「競業」とは、「業を競う」と書く通り、「営業での競争をすること」と
いう意味の言葉です。同じ分野の事業において、複数の企業や個人が営業で
争うことを言います。「競業」は「協業」と発音は同じですが、後述する
ように意味は全く違います。
「競業」という言葉は、「競業避止義務」が取り上げられる際に目に触れ
ることが多くなっています。「競業避止義務」とは、従業員が個人的に、
所属する会社の事業と競合するようなビジネスを行ったり、競合他社の
取締役に就任するなどの行為を制限する義務を指します。
企業の重要な役職である取締役などの場合、会社法等によって、「競業
避止義務」が規定されています。一方、一般社員の場合は、就業規則や
個別契約によって競業行為が制限されるのが一般的です。
● 協業とは
「協業」とは、1つの生産過程において、多数の労働者が集まり、協力
して作業にあたることを言います。
マルクスによると、「協業」は「単純協業」から「分業に基づく協業」へと
段階的に分かれていき、これらがさらに発展することで、労働手段の変革を
伴う最も進んだ協業形態に至るとしています。
「協業」のもう1つの意味が、「企業同士が提携してビジネスを行うこと」と
いうものです。この場合は、「アライアンス」という言葉が使われることも
あります。
例えば、ソフトウェア会社と販売会社が営業上のパートナーとなるといった
ケースが、これにあたります。
前述したように、発音は同じでも「競業」とは全く意味が異なる言葉です
ので、使用時には混同などの間違いがないよう注意が必要です。
● 提携とは
「提携」とは、「手に提げて持つ」という意味の他に、「互いに助け合って
ものごとを行うこと」や「共同で何かをすること」といった意味があります。
「提」は「互いに手を取る」といった意味を持ち、「携」は「協力する」と
いった意味合いを持ちます。
「提携」という言葉は、「業務提携」などというように、主にビジネスの
分野でよく使われるようになっています。この場合は、「他社と共同で
事業に当たること」という意味で、「協業」とほとんど違いはありません。
ただ、「提携」は「事業提携」や「資本提携」など、分野ごとにさまざまな
種類に分けられます。つまり、「協業」は企業同士の大まかな協力関係を
指し、「提携」はより細かな具体的分野での協力関係を指すという言い方も
できます。
● 連携とは
「連携」とは、「互いに連絡を取り合いつつ、協力しながらものごとを
行うこと」といった意味の言葉です。「携」は前述のように、「協力する」
などの意味を持ち、「連」は「つながりを持つ」「関係する」などの意味を
持ちます。
「提携」との比較で言うと、両者は「協力して何かをすること」を表して
おり、意味合いとしてはほぼ同じとなっています。ただ、つながり合いの
強弱には、若干のニュアンスの違いがあります。
「提携」が、比較的強い結びつきで行動をともにすることを指すのに対し、
「連携」は、目的は同じでも行動は個々で行うことが多くなっています。
つまり、「結びつきの度合い」においては、「連携」よりも「提携」の方が
強いということができます。
私は、これからは「協業-企業同士が提携してビジネスを行うこと」が
望ましいと考えます。
新型コロナウイルスの影響の中、収束するまでの期間、収束後のことを
考え、いろいろな形で企業同士が「お互いに、助け合いながら、成長して
行ければ」と思います。
2021.3.20
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美