Coffee Blake-令和3年4月2日(金)「あすへの話題」
私は、性格的に「長所」「短所」があり、「得意なこと」「不得意なこと」も
ただあります。
企業にも、得意とするもの、不得意とするものがあると思います。
現在、「働き方改革」等で、個人の副業・兼業の推進やフリーランスとして
企業との業務委託や業務提携で活躍されている方も多くいらっしゃいます。
個人にとっては、「得意とする」スキルで、企業の「不得意とする」部分を
カバーできる、というのは、両者にとっては “Win Win”の関係が築けるため、
大変良いことだと思います。
このような“Win Win”の関係で、「社会に貢献」できれば、より良い方向に
向かうと思うのですが。
さて、日経新聞「あすへの話題 2021.3.25」をご紹介したいと思います。
大変、感銘を受けた内容でした。
2021.4.2
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美
あすへの話題 2021.3.25
〜 企業は社会のために 〜
前公正取引委員会委員長
杉本 和行
公正取引委員会の委員長を務めていたときに、しばしば問われたことがある。
「なぜ、談合やカルテル、独占につながる企業合併がいけないのか。
関係者が皆仲良く共存してやっていこうということでよいのではないか」
というものである。
企業は人々にとってニーズのある商品やサービスを作り出し、これを広く
行き渡らせるように行動することで社会に貢献することがその役割であると
思う。この役割を効率的に果たすことにより、利益をあげることを目指す
経済主体である。このことによって、人々の満足度は向上し、生活水準が
向上することにより、社会全体の厚生水準が高まる。
こうして、企業は社会に貢献するものであると思う。
従って、企業は消費者に直接向き合う必要がある。
プラットホーム事業で世界を圧巻するアップルの創業者スティーブ・
ジョブズ氏の「人は形にして見せてもらうまで、何がほしいかわから
ない」といった趣旨の発言や、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏の
「顧客のニーズを徹底的に考え、対応するサービスを発案しよう」と
いった趣旨のメッセージはイノベーションを実現してきた企業が消費者の
潜在的なニーズに直接向き合う姿勢の重要性を端的に伝えるものである。
これがイノベーションの源泉であり、推進力ではないかと思う。
談合やカルテルは消費者に直接向き合う姿勢を害するものだからこそ
大きな問題なのである。企業は株主だけのものではない。
国民一人一人も重要なステークホルダーである。
企業は人々皆のためのものではなかろうか。
● 談合
談合の意味は「話し合いをすること」「相談」「競争入札参加者が事前に
落札者や価格を前もって決めてしまう不正な話し合い」となります。
談合といった場合、不正な話し合いという意味の談合行為を指して使われ
ることが多いです。
● カルテル(cartel)
カルテルとは、企業がお互いの不利益にならないように結ぶ協定のこと
です。生産数や販売価格を調整し、市場を安定的に独占していく狙いが
あります。カルテルによってライバル会社との競争はなくなりますが、
一方で消費者の負担が大きくなります。そのため、日本では独占禁止法に
よってカルテルは禁止されています。
● 独占
1. 自分ひとりだけのものにすること。ひとりじめ。「人気を独占する」
2. 特定の資本が他の競争者を排除し、生産と市場を支配している状態。
● 厚生水準
-生産者余剰と消費者余剰-
これらの余剰を足し合わせた余剰を「社会的余剰」といい、市場での
財の取引が経済にもたらす利益(厚生水準)と考えます。
● プラットホーム(platform)
プラットフォーム(platform)とは、サービスやシステム、ソフトウェアを
提供・カスタマイズ・運営するために必要な「共通の土台(基盤)となる
標準環境」を指します。
例えば、パソコンでは、ソフトウェアを動かすためのプラットフォームは、
WindowsやMac OS、UNIX、LINUXといったOS(オペレーションシステム)を
指す場合が一般的です。
Platformという英単語には「壇上」や「(高所の)足場」といった意味も
ありますが、インターネットを通じて、遠隔のコンピュータで情報処理を
行う場合、「クラウド」においても、「土台(基礎)」となるプラット
フォームが必要となります。あらゆる工場や製品が「つながる」将来の
産業では、どのようなIoTプラットフォームを共通基盤とするかが、重要と
なります。
● イノベーション
「イノベーション」とは、モノや仕組み、サービス、組織、ビジネス
モデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、
社会にインパクトのある革新や刷新、変革をもたらすことを意味する。
● ステークホルダー
ステークホルダーは、企業が経営をするうえで、直接的または間接的に
影響を受ける利害関係者のことです。
英語の「stake(掛け金)」「holder(保有する)」が由来とされ、
1984年に哲学者のR.エドワード・フリーマンが著書
「Strategic Management: A Stakeholder Approach」の中で使用したのが
ビジネス用語として浸透するきっかけになったといわれています。
利害関係者というと、金銭的な関係があるクライアントや従業員、株主
などが思い浮かびますが、ステークホルダーは企業活動によって影響を
受けるすべての相手に対して使う言葉です。
少しでも、ご参考になれば幸いです。
2021.4.2
株式会社シニアイノベーション
代表取締役 齊藤 弘美