Coffee Blake-令和3年7月1日(木)「早稲田会議」④
Roundtable B
DX:受け身対応から能動的DX
アスクル社長CEO/吉岡 晃、サントリーホールディングス副社長/鳥井 信宏、
日本アイ・ビー・エム社長/山口 明夫、森トラスト社長/伊達 美和子、
ヤマトワールディングス会長/山内 雅喜、ヤマハ発動機会長/柳 弘之、
ロイヤルホールディングス会長/菊池 唯夫、シンクタンク・ソフィア
バンク代表/藤沢 久美、早稲田大学ビジネススクール教授/内田 和成、
早稲田大学ビジネススクール教授/根来 龍之
DXは「個」の時代の幕開け
デジタルトランスフォーメーション(DX)は「個」の時代の幕を開ける。
個は距離や数といった障壁を超えて様々な商品・サービスとダイレクトに
つながるようになり、時間と場所の制限から解放された。
その一方、人工知能(AI)によって既存の仕事の多くが消滅していくなか、
個は人間にしかできない能力がシビアに求められるようになっていく。
新型コロナ禍によるリモートワークの浸透で日本のデジタル化は一気に
進んだものの、DXの実現に関しては欧米や中国だけでなく、新興国からも
大きく水があけられている。
それでも日本企業がグローバルな舞台で存在感を示している理由は何か。
それはホスピタリティーなビジネスや製品・サービスに対する信頼感が
日本を世界とつないでいるからではないか。
個はその絆を強く結び付けてきた。ユーザー目線で現場の課題をコツコツと
解決してきた個のチカラには世界を圧巻する日本流DX創出のヒントが
ある。それはいかにデジタルと個のチカラを融合させるかだ。
デジタルビジネスはEコマースやフリーマーケットのように群雄割拠な
状態に陥りやすく、ホスピタリティーや信頼感は競争力を高める。
画期的になりがちなビッグデータの解析も個の視点をどう取り入れるかが
差別化のポイントだ。企業間でデータ共有ができればよりきめ細やかな
DXが実現できる。デジタルと個のチカラのハイブリッド戦略が日本流
DXの活路を開くはずだ。ただ、企業も顧客も高品質さや完璧さを求め
すぎることが日本のデジタル化やDXを遅らせた要因だ。
デジタルなものは常に更新や改良が前提で、トライ&エラーが第一歩だ。
デジタル社会で個に求められるのは自らをデジタル化する勇気と人間力を
磨き続ける努力だ。DXは既存の概念を壊して新たな社会を創出する。
残すべきレガシーは必ずあり、それを見極めるためにはデジタルと人間
社会の本質を学び続けるしかない。それは経営陣も同じだ。
自らデジタルをフルに活用してなければこれからのビジネスの舵取りなど
できはしない。
DXがもたらす新たな世界が本当に幸せかは誰にも分からない。
個がDXの先の未来をどう見据え、デジタル化で生まれた新たな時間を
どう使うかで、その答えが決まる。
● デジタルトランスフォーメーション(DX)
‘デジタルトランスフォーメーション‘(英: Digital transformation;
DT or DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い
方向に変化させる」という概念である。
デジタルシフトも同様の意味である。
● リモートワーク
リモートワークとは、従業員がオフィスに出社することなく、会社以外の
遠隔の場所で業務を行うことを意味します。 リモートという言葉が遠隔を
意味するように、遠隔で仕事を行うことをリモートワークと呼びます。2020/06/29
● ホスピタリティー
ホスピタリティとは接客・接遇の場面だけで発揮されるものではなく、
人と人、人とモノ、人と社会、人と自然などの関わりにおいて具現化
されるものである。 狭義の定義では、人が人に対して行なういわゆる
「もてなし」の行動や考え方について触れていて、これは接客・接遇の
場面でも使われるホスピタリティのことである。
● Eコマース
Eコマースとは、商品やサービスをインターネット上で売買するビジネス
モデルのこと。「Electronic Commerce」という言葉に由来する造語で、
日本語に翻訳すると「電子商取引」となります。
Eコマースを短縮して「EC」と表記することもあります。
Eコマースは、企業が一般消費者向けに商品を販売するだけでなく、
企業同士や消費者同士の取引にも使われています。
・企業同士の取引… BtoB-EC (Business to Business)
・ネットショップなどの企業と一般消費者間の取引… BtoC-EC
(Business to Consumer)
・オークションやフリマアプリ、ハンドメイド作品販売サイトのような
消費者同士の取引… CtoC-EC (Consumer to Consumer)
と呼ばれます。
● フリーマーケット
フリーマーケット(flea market)は、不用品や手製の品などを
持ち寄って取引する市場のこと。蚤の市、がらくた市などとも言われます。
フリー(flea)は蚤という意味です。
あらためて蚤の市を調べると、フランスの都市周辺で開催される中古品の
露天市のこと。パリのポルト・ド・クリニャンクールで行われる市が有名です。
これが転じて、一般に古物市・のみ市となりました。
● 群雄割拠(ぐんゆう-かっきょ)
多くの英雄や実力者たちが各地に勢力を張り、互いに対立して覇はを
競い合っていること。▽「群雄」はたくさんの英雄・実力者。
「割拠」はそれぞれが土地を分かち取り、そこを本拠として勢力を張る
こと。中国や日本の戦国時代などの状況をいう。
● ビッグデータ(big data)
膨大かつ多様で複雑なデータのこと。スマートホンを通じて個人が発する
情報、コンビニエンスストアの購買情報、カーナビゲーションシステムの
走行記録、医療機関の電子カルテなど、日々生成されるデータの集合を
指し、単に膨大なだけではなく、非定形でリアルタイムに増加・変化すると
いう特徴を持ち合わせている。このようなデータを扱う新たな手法の開発に
より、2010年前後から、産業・学術・行政・防災などさまざまな分野で
利活用が進み、意思決定や将来予測、事象分析が行われている。
● ハイブリッド(hybrid)
1. 動植物の雑種。
2. 異質のものの混成物。
3. 電気信号を、相互の干渉なく、結合または分離する装置。
● トライ&エラー
(trial and error) 新しい問題に当面した場合、思いつく方法を次々に
試みて失敗を重ねていくうちに、解決するに至る行動様式。
偶然成功した動作は以後繰り返して行なわれ、失敗した動作は行なわれ
ないようになり、心理学では学習様式の一つとされている。 試行錯誤。
● レガシー
レガシー(legacy)は英語で「遺産」を意味する言葉です。
本来は「亡くなった人がのこした財産」を意味するのですが、派生的に
「世代から世代へ受け継ぐものごと」も意味します。2017/09/23
この続きは、次回に。