Coffee Blake-令和3年7月16日(金) 読売新聞「あすへの考」⑤
記事内容-④
生産性を上げ、経済を回す。「コンパクトな消費国家」目指せ
昨年から猛威を振るう新型コロナウイルスは、経済や社会のあり方を
変えようとしています。
コロナ禍を機に、リモートワークが普及し、キャッシュレス決済も一段と
定着しました。現場ではリモートでの営業も盛んに行われています。
AI化、情報システムのクラウド化も加速しています。
こうしたデジタル化を中心とした変化は、これまで10年、20年をかけて
起こるとみられてきました。ところが、コロナ禍が後押しする形で、
5年、7年に前倒しされるかもしれないのです。
日本企業はこの機を逃してはならないと思います。業務のデジタル化を
進めるとともに、高い付加価値を提供するビジネスにシフトすべきです。
逆にこのまま何もしないと、日本は世界から大きく取り残されます。
ポスト・コロナのこれからの10年間は、「戦後の焼け野原」から復興した
時と同じ気持ちで経済に取り組むべきです。そうすればバブル崩壊後の
「失われた30年」を一気に挽回できるはずです。
コロナ危機は日本が、国内消費経済を主体とした「小国」にシフトする
きっかけになると思います。いまこそ「コンパクトな消費国家」を目指
すべきです。人口減少が進んでいるのは事実ですが、裏を返せば、一定の
生活水準を維持した1億人以上の国内市場がまだあるということです。
日本が「小国」になることについて懸念を抱く方もいるかもしれませんが、
「小国」ながらも「豊かな社会」を実現すればいい。世界を見渡すと、
オーストラリア、ニュージーランド、スイス、スウェーデンなど人口が
少ないが豊かな国がたくさんあります。
● 猛威を振るう
もの凄い勢いで、力が及ぶことを意味する表現。
● リモートワーク
リモートワークとは、従業員がオフィスに出社することなく、会社以外の
遠隔の場所で業務を行うことを意味します。 リモートという言葉が遠隔を
意味するように、遠隔で仕事を行うことをリモートワークと呼びます。2020/06/29
● キャッシュレス決済
キャッシュレス決済とは「現金を使わずに支払いを済ませる方法」のこと。
日本でも政府がキャッシュレス決済を推進していることもあり、急速に
普及しています。
● リモート
リモートとは、複数の対象が離れている状態のこと。
日本語では、「距離が遠い」「へんぴな」「文明から隔絶した」「時間的に
遠く隔たった」「血縁関係が遠い」「人や態度がよそよそしい」など物や
人に対して用いられる。
● クラウド化
「クラウド化」とは、社内で管理しているデータなどを、インターネットを
通じて外部事業者のサービスに移すことです。2020/09/19
● デジタル化
デジタル化とは、「ITの進化により様々なヒト・モノ・コトの情報が
つながることで、競争優位性の高い新たなサービスやビジネスモデルを
実現すること、プロセスの高度化を実現すること」と定義されます。
デジタル技術によって今まで人間が行っていた業務などを効率化したり、
新しい付加価値をつけた製品を生み出すなど、様々な企業でデジタル化に
取り組んでいます。
● 失われた30年
概要[編集]
日本においてバブル経済崩壊後の1990年代初頭からの「失われた20年」を
経て、高度経済成長期(好景気時の経済成長率が約10%以上)や安定成長期
(好景気時の経済成長率が約5%以上)の頃のような経済成長率・景気
拡大(完全なデフレ脱却)が起こらない場合、「失われた30年」になって
しまう可能性もあるという声もあり[1][2][3]、2016年の時点で既にそう
なってしまったと述べている者もいる[4]。
ムーディーズのエコノミスト、ファラツ・サイードはリポートで、日本の
経済停滞が続き、アベノミクスが日本の成長エンジンに再点火することを
せず、インフレ目標も達成する意志が無いため、賃金上昇は小幅にとど
まり、日本は次の失われた10年に向かうと指摘した[5]。
この30年間は、そのまま平成年間でもある。
長期予測[編集]
日本経済団体連合会のシンクタンク「21世紀政策研究所」は、2012年4月に
“「失われた20年」の状況がこのまま続いた場合、日本は2050年代頃に、
先進国でなくなる”とする予測結果をまとめた。本シミュレーションに
よると、労働力人口や資本ストックが減少することで、最も楽観的な
シナリオでも、2030年代頃から日本経済が恒常的にマイナス成長に
● 懸念
気にかかって不安に思うこと。
「安全性に懸念を抱く」「先行きを懸念する」
□ 私見
私も、新型コロナウイルスの影響におけるいろいろな変化-リモート
ワーク、キャッシュレス決済等々が進みつつあることは良いことだと
思います。また、IT化やこれまでの「働き方」における遅れや見直し等が
再認識できたことは、今後の課題が浮きぼりとなり、方向性が見えて
きたのではないでしょうか。
大雨による影響で、「熱海市」で大惨事がおきております。
これは、「人災」かも知れませんが、やはり新型コロナウイルスと同様に、
これまでの日常が非日常に変わってしまったということで、同じように
感じます。私たちは、起きてしまった「結果」からしか、「変化」を
認識するしかないのでしょうか。
私は、「失われた30年」の認識が薄い感があります。
もしかしたら、今の若い世代の方々の方が、私たち世代よりも強く感じて
いるのかもしれません。しかし、「失われた30年」を振り返っていても
しようがありません。少しでも、取り返せるようにしなければなりません。
「ピンチは、チャンス」へ、「マイナスは、プラス」へ、「減少は、増加」へ
等々、「変化」を恐れず、「チャレンジ精神」を持ち続けたいと思います。
経済学者ピーター・ドラッカーが言っています。
「選択と集中」、私は、この言葉が好きです。
この続きは、次回に。