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Coffee Blake-令和3年7月23日(金) ③

● 定年後は「再就職」と「再雇用」、

 どちらを選ぶか?

    仕事の探し方も紹介!

 

 

定年後に新しい職場へ「再就職」すべきか、今の企業での就業継続

(再雇用)を利用すべきか迷っている方も多いかもしれません。

そこで今回は定年後の「再就職」と「再雇用」、それぞれの活用法と

メリット・デメリットを紹介します。また、再就職・再雇用を成功させる

ポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

● 定年後の「再雇用」とは?

 

まずは、定年後の「再雇用」について、制度の仕組みや利用の流れに

ついて解説します。

再雇用を利用したあとに「賃金水準」や「雇用形態」がどう変化するかも、

合わせて紹介します。

 

● 定年後の再雇用制度について

 

「再雇用」とはどんな制度?

同じ企業で定年後も継続して雇用される制度を、「継続雇用制度」と

言います。なかでも代表的なのが、一度退職したあとに再び同じ企業

(子会社やグループ会社などの可能性もあり)で雇用される「再雇用

制度」です。あくまで定年退職したあとに再び雇用契約を結ぶため、

退職金を受け取れるのが特徴です。

厚生労働省の調査(※)によれば、高齢者の雇用確保措置を実施して

いる企業の79.3%がこうした「継続雇用制度」を導入しています。

そもそも「継続雇用制度」が生まれた背景には、年金受給時期の引き

上げがあります。2013年の法律改正を受けて、厚生年金の受給開始

時期が60歳から65歳へ段階的に引き上げられることが決まりました。

それに伴って、60歳から65歳は無給の期間が発生してしまうことに

なります。そこで企業に「65歳までの定年の引き上げ」「65歳までの

継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかの実施が義務づけられ

ました。結果として、今では基本的に希望すれば全員が65歳まで同じ

企業で働き続けられることになっています。

※参考:高年齢者雇用の現状等について|厚生労働省(PDF)

 

再雇用の流れは?


まずは定年退職を迎える前に、企業から再雇用に関する通達が来ます。

その後、担当者との面談で勤務条件をすり合わせ、契約内容について

お互いに合意したら再雇用が決まるという流れです。

ちなみに再雇用制度を利用するかどうかはあくまで本人の希望によるため、

再雇用を希望しない場合はそのまま定年退職の手続きをします。

 

(2)再雇用後の働き方とは?

 

ここからは、厚生労働省のデータ(※)を参照しつつ、再雇用後の働き方の

変化について紹介します。

※参考:高年齢者雇用の現状等について|厚生労働省(PDF)

 

1:雇用形態

定年後の人材(60代前半)を継続雇用する際の雇用形態を見てみると、

正社員が「41.6%」、嘱託・契約社員が「57.9%」、パート・アルバイトが

「25.1%」となっています(複数回答)。たとえ定年前は正社員だったと

しても、再雇用では嘱託や契約社員として採用するケースが比較的多い

ようです。

 

2:仕事内容

定年前と比べた仕事内容・責任の変化について、「定年前とまったく

同じ仕事」と答えた企業が「44.2%」、「定年前と同じ仕事であるが、

責任の重さが軽くなる」と答えた企業が「38.4%」という結果でした。

基本的には定年前と同じ業務ですが、企業によっては役割やポジションが

変わることもあるようです。

 

3:賃金水準


定年前と比べた賃金水準については、60歳の給与を100%としたとき、

61歳時点では平均「78.7%」となっています。つまり、再雇用後は給与が

定年前の7~8割前後まで減ることが多いようです。

 

●「再雇用」を選ぶメリット・デメリットとは?

 

続いては、定年後に「再雇用制度」を活用するメリット・デメリットを

それぞれ紹介します。

 

(1)メリット

 

慣れ親しんだ場所で働ける

再雇用の場合は、定年前と職場が同じであることも多く、通い慣れた場所で

働けるのも大きな特徴です。引っ越しや通勤経路の変更をする必要がなく、

そのままの生活スタイルを維持できます。また、今まで一緒に働いてきた

同僚たちと継続して働けるため、人間関係のリセットによる心理的な

ストレスも軽減できるでしょう。

 

ゼロから仕事を探す手間がない

仮に再雇用を選ばなかった場合、自分で再就職先を見つける必要があり

ます。そうなると、当然ハローワークへ通ったり、さまざまな人材サー

ビスを駆使して求人を探したりと手間もかかるでしょう。

その点、再雇用制度を利用すればそのまま同じ業務に就けるため、仕事

選びに時間をかける大変さもありません。

 

厚生年金の受給額が増える

60歳以降も働き続けることで、厚生年金の加入期間がその分長くなります。

結果として、65歳から受け取る厚生年金の受給額を増やすことが可能です。

また、雇用を継続している間は会社の健康保険に加入できるため、万が一

けがや病気のときでも医療費の負担が少ないというメリットもあります。

 

(2)デメリット

 

◆ミッションや役職が変わってしまう


再雇用で働き続ける場合、仕事内容は同じだとしても、ミッションや

役職が変わることもあります。

例えば、今まで部下だった年下の社員が自分の上司になることもあり、

ストレスに感じるケースも珍しくありません。また、今まで任されていた

ミッションから外されて、仕事に物足りなさを感じることもあるでしょう。

 

65歳以降は自分で仕事を探す必要がある


「高年齢者雇用安定法」(第9条)で企業に義務づけられているのは、

あくまで「65歳まで」の継続雇用制度を導入することです。

66歳以降も就業し続けられる制度がある企業は、全体の2割~3割程度(※)

しかありません。そのため、たとえ再雇用制度を利用しても、65歳以降も

働きたい場合は自分で再就職先を探す必要があります。

※参考:高年齢者雇用の現状等について|厚生労働省(PDF)

 

賃金がトラブルの原因になりかねない


再雇用制度では、定年前よりも給与が下がることがほとんどです。

その際、「仕事内容は変わらないのに給料が下がるのはおかしい」「処遇が

スキルや知識に見合っていないのではないか」といった不満を抱える人も

います。会社とのトラブルにもつながりかねないため、勤務条件は定年前に

細かくすり合わせておくことが大切です。

 

 

 

この続きは、次回に。

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