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実践するドラッカー[思考編] ⑧

A lesson from P.F.Drucker

 

∵ 生産性を高める

 

知識労働者の生産性の重要度については強調しすぎることがない。

知識労働者の特性は、働き手が労働力ではなく資本だというところに

ある。資本の働きを決めるものは費用の多寡ではない。量でもない。

『ネクスト・ソサエティ』—-p.180


 

資本には、モノを生み出す力があります。資本は使っても減りません。

むしろ、うまく使えば使うほど、その力は高まります。

その意味で、知識労働者はコストではなく、資本だといえます。

知識労働者の生産性を決定づけるものは、モノやコトを生み出す力なの

です。つまり、知識労働者は効率ではなく、効果で評価されるべきなの

です。いくらかかったかよりも、何も生み出したか。

アウトプットの数よりも、質やインパクトの大きさが問われます。

ドラッカー教授は知識労働者が生産性をあげるための条件を四つ挙げて

います。

 

     ● 仕事の目的を考えること

     ● 自ら生産性向上の責任を負うこと

     ● イノベーションを継続的に行うこと

     ● 自ら継続して学ぶこと

 

いずれもアウトプットを高めるために欠かせないもので、自発的に取り

組む必要があります。知識という資本を所有しているのは自分自身であり、

企業や組織ではないからです。

自らが知識という資本の投資家であり、資本から生み出される果実の

供給者なのです。

 

コラム イノベーションとは

 

「イノベーション」という言葉は、日本においては「技術革新」と訳される

ことも多いのですが、本来の意味は、もっと広いものです。

この概念は、ドラッカー教授の父アドルフの友人でオーストラリアの

経済学者、ジョセフ・シュンペーターの著作『経済発展の理論』で示さ

れたものです。

「郵便馬車をいくら連続的に加えても、それによって決して鉄道を得る

ことはできない」というたとえによって、この考え方は一気に広がりま

した。

 

ドラッカー教授も、『イノベーションと企業家精神』でイノベーションの

原理と方法を世に問いましたが、必ずしも技術分野でのみ起こるものでは

ないことを、マクドナルドの例で示しています。

レイ・クロックが創業者マクドナルド兄弟からフランチャイズ権を得て、

アメリカはおろか、世界的なハンバーガー・チェーンに飛躍させたのは、

いつでもどこでも同じ味とサービスを提供する合理的なシステムを構築し、

ビジネスを飛躍的に進化させたからでした。

 

知識労働者が生産性をあげるための条件にある、「イノベーションを

継続して行う」とは、新しい価値を生み出すことで、アウトプットの

質を飛躍的に変える、という意味です。

「馬車」の効率を高めることばかりを考えていないか、いまの仕事に

おける「鉄道」は何か、考えてみてください。

 

A lesson from P.F.Drucker

 

∵ 自分を律する

 

知識に関わる者は高度の倫理基準を求められる。

『断絶の時代』—p.382


 

ドラッカー教授は、「知りながら害をなすな」と言います。

しかし、粉飾や偽装など、知りながら社会に害悪をなす行為は、残念

ながら後を絶ちません。

教授がいうように、知識とは本来、何か、あるいは誰かを変えるもので

あり、世のため人のために正しく利用して初めて価値あるものとなります。

知識にはそれだけ力があり、知識のある者がない者を欺く行為は許され

ません。しかし、知識の濫用を統制できるのは、ルールでもなく、刑罰

でもありません。

法令遵守、最低限のことを守りましょうという低いレベルでは何も変わらず、

社会はよくなりません。

自分たちの行動や姿勢は、自分で律するしかないのです。だからこそ、

高度の倫理基準が必要なのです。一人ひとりが最高を求めて行動をする

社会だけに、未来はあります。

ドラッカー教授は、倫理観を高める方法として、「ミラー・テスト」と

いうシンプルな方法を挙げています。

 

・毎朝、洗面台の前に立ったとき、鏡の中に「見たい自分がそこに

    いるか」を問う。さて、親や子供に見せて恥ずかしくない自分が、

     そこに映っているでしょうか。

 

実践シート①

 

成果をあげるために、あなたが習慣化していることは何ですか。

 

——hint——–

 

● 「知識は、成果の原動力」(p.11)で挙げられた5つの「成果をあげる

   能力」を参照

● 習慣化のプロセスは以下のとおり。知る→納得する→常にそう考える

 (思考習慣)→行動を移す→行動が定着する(行動習慣)

 

実践シート②

実践シート③

実践シート④

 

 

この続きは、次回に。

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