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実践するドラッカー[思考編] ㉑

A lesson from P.F.Drucker

 

∵ 成果をあげる期間を決める

 

あまり先を見てはならない。貢献のためのプランを明確かつ具体的な

ものにするには、長くてもせいぜい一年半を対象期間とするのが妥当

である。

問題は、一年半あるいは二年のうちに、いかなる成果を上げるかである。

『明日を支配するもの』—p.217


 

「目標に日付を入れろ」とよく言われます。達成までの期日が短すぎては、

たいしたことはできませんし、長すぎても途中でうやむやになってしまい

ます。せいぜい一年か一年半の間に集中して成果を出すことが重要です。

限られた時間を適切に使うには、いつまでに何をすべきか、今日何を

すべきかという具体的な行動プランが必要です。

以下にプランニングのポイントを挙げましょう。

目標は、やや実力を上回るぐらいにストレッチして、測定可能な形で設定

すること。陸上選手が世界記録を塗り替えていけるのは、計測している

からです。成長や進化には、メジャーが欠かせません。

アクションプランは、目標達成までのプロセスを考え抜いて設定します。

ゴールから逆算して、どこで、何を、いつまでに行うかを決めます。

一回のアクションで済むものもあれば、目標達成の日まで継続しなければ

ならないものもあるからです。そして、一つひとつの行動については、

「○○を行う」と具体的に書き、翌朝からすぐ動ける形にしておくことが

大切です。

一年から一年半という時間軸を意識して貢献を具体的な形に置き換え、

行動し続けることで、確実に成果をあげていきましょう。

 

 

A lesson from P.F.Drucker

 

∵ 顔を上げて聞く

 

顔を上に向けることによって、ほとんど無意識に、他の人が何を必要とし、

何を見、何を理解しているかを知ることができる。

さらには組織内の人たち、つまり上司、部下、そして他の分野の同僚に

対し、「あなたが組織に貢献するためには、私はあなたにどのような貢献を

しなければならないか」「いつ、どのように、どのような形で貢献しな

ければならないか」を聞けるようになる。

『経営者の条件』—p.90


 

顔を上げよ、とドラッカー教授は言います。何に目を向けるかが重要です。

 

第一に、成果を上げるには、進べき道を見据えなければなりません。

これを組織のミッションといいます。

ミッションは、追求し続けるものです。

 

第二に、目を向けるのがビジョンです。

ビジョンとは期限つきの到達点であり、そのイメージを鮮明化させれば

させるほど、たどり着く可能性が高まります。

 

第三に、目標があります。

ビジョンは、いくつかの目標に分割することができます。

ただし、ミッション、ビジョン、目標はすべて組織の言語であり、その

ままでは顧客に伝わりません。顧客の言語に置き換えなければなりません。

そのためには、顧客の立場でものを見たり、考えたりできるようになる

必要があります。

これは、組織の中についても同じです。ミッション、ビジョン、目標の

何を見ているか、どのぐらい理解しているかは、人によって異なります。

上司や部下、同僚の目線は、どうでしょぅか。

自分の目線で見えるものについても、曖昧なままにしておかず、「貢献の

形とは」「貢献のタイミングとは」「具体的な貢献の方法は」といった

具合に、常に具体化していきましょう。

日常の忙しさの中では、つい、目線は手元に行きがちです。

顔を上げ、まわりの仲間に問い、窓を開け、外にいる顧客に問いかける。

そんな行動が、真の成果と貢献を思い出させてくれます。

 

 

この続きは、次回に。

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