実践するドラッカー[行動編] ⑭
A lesson from P.F.Drucker
∵三つのステップ
正しい決定は、共通の理解と、対立する意見、競合する選択肢をめぐる
検討から生まれる。
『経営者の条件』—p.192
正しい意思決定を行うには、三つのステップが必要です。
第一のステップは、「共通の理解」を得るためのもので、次の手順で
行います。
① 一般的な問題と例外的な問題に分類する。
② 正しい問いを持って、問題の根本を明確にする。
③ 目的を明らかにして、意見の土台をつくる。
第二のステップは、「対立する意見」を誘い出す環境をつくるために
行います。
④ 関係者を巻き込む。
⑤ 複数の選択肢を得る。
第三のステップは、競合する選択肢の中から一つ選ぶことです。
⑥ 最善の解決策を選ぶ。
⑦ 定期的にフィードバックを行い、成果を確認する。
「共通の理解」には、特に細心の注意を払ってください。
問題の理解には、人それぞれ、さまざまな解釈がありうるからです。
土台のないところには何も築くことはできません。
ここに挙げたプロセスは、組織全体の了解事項となるまで徹底させましょう。
正しい意思決定には正しい手順があるのです。
A lesson from P.F.Drucker
∵一般的な問題、例外的な問題
まず初めに、一般的な問題か例外的な問題か、何度も起こることか個別に
対処すべき特殊なことかを問わなければならない。
基本的な問題は、原則と手順を通じて解決しなければならない。
これに対し例外的な問題は、状況に従い個別の問題として解決しなければ
ならない。
『経営者の条件』—p.165
問題は、一般的な問題と例外的な問題に分けることができ、両者の解決
方法は大きく異なります。
例外的な問題とは特殊なものであり、そうそう生じるものではありません。
この種の問題は個別に対処し、解決します。
他方、一般的な問題は、次の三つに分けられます。
① 自分にとっては例外的でも世の中では一般的な問題。
② 自分にとっても世の中でも一般的な問題。
③ 新しい種類の一般的な問題。
①②は基本的な問題であり、原則と手順で解決します。
③も同様に解決すべき問題なのですが、他の例が少ないため、一見特殊な
問題に見えるので、注意が必要です。
分類の目的は、解決法を限定し、その後の対応を効率的、効果的することに
なります。
問題を目にしたら、まず初めに分類することを習慣づけてください。
この続きは、次回に。