実践するドラッカー[行動編] ㉔
Chapter4∵計画が実現性を高める
いかなる知識といえども行動に転化しないかぎり無用の存在である。
しかし行動の前には計画しなければならない。
望むべき結果、予想される障害、必要となる修正、チェックポイント、
時間管理上の意味合いを考えなければならない。
(『経営者の条件』—-p.5,p.6)
計画とは、知識を成果に変えるための道筋として、「いつまでに」「誰が」
「何を行うか」を決めることです。
「誰」は知識の所有者、「何を」は知識や能力そのものを表します。
例えば、月末までに「企画書のたたき台をつくる」というアクション
プランは、企画書を作成する人、その人が必要な知識や能力をもって
いることを前提とします。
組織の計画しかり、個人の計画しかり。
有意義な計画とは何かを考えていきましょう。
A lesson from P.F.Drucker
∵計画が行動を呼ぶ
計画において重要なことは、明日何を行うかを考えることではない。
明日のために今日何を行うかを考えることである。(中略)
われわれは、明日行う意思決定について計画しがちである。
楽しいかもしれないが無益である。
意思決定は現在においてしか行えない。
『マネジメント<上>』—p.156
ほとんどの人が計画を立てていません。
計画はスケジュール管理とはまったく違うものです。
夢や目標を達成するために今日何をしなければならないかという観点から、
どのように時間を使うかを事前に決める行為こそが計画です。
手帳を開いて、明日の欄を見てみましょう。
一○時から一一時三○分まで「クライアントのA社訪問」、一五時から
一七時まで「営業会議」と書かれていたとします。
しかしこれらはスケジュールの羅列にすぎません。
スケジュール管理ならば、第三者でもできますが、計画は自分にしか
立てられないのです。
少なくても週の始まりには、その一週間、何時から何時まで、どのように
時間を使うか、書きとめておくべきでしょう。
水曜の一三時から一四時三○分は来月の企画会議の原案作り、二○時から
二二時は○○の読書など、具体的であればあるほどよいのです。
計画とは、未来の重要なことに取り組むための時間を確保するための
ものです。事前に決めておかなかったことをスイスイできる人はほとんど
いません。途中で予定変更を余儀なくされることがあったとしても、
計画は立てるべきです。
一か月、一年、五年など、期間が長い場合も同じです。
手帳は有用な手段です。一か月先、一年先に行うことを、今日決めて
記入しましょう。
その行為が行動を引き出し、その先の成果へと導いてくれます。
この続きは、次回に。