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Coffee Blake-令和3年11月9日(火)「プロセスエコノミー」

日経新聞-2021年(令和3年)10月19日「Opinion」 Deep Insightの記事-

「たそがれの結果至上経済」を時間があったら読もうと思い、〝積読〟

しておりました。

 

昨日は、久しぶりに外でお酒を飲み午後9時頃には就寝し、すっきりと

した気分で、午前2時30分頃に起きてしまいました。

「代表のブログ」の参考になる記事があればと思い、〝積読〟を整理して

いたところ、「たそがれの結果至上経済」の記事を読み、〝言葉の意味〟も

含め調べてみました。大変、勉強になりました。

 

それでは、ご紹介致します。

 

2021.11.9

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

Opinion Deep Insight

 

             編集委員 中村 直文

 

 

  たそがれの結果至上主義

 

▶︎ 売ることより、コミュニティーとしての役割を前面にだすカナダの

    ルルレモンがファストファッションをしのぐ成長力を示す。

 

▶︎ 丸井や大丸松坂屋百貨店が「売らない」を掲げた店づくりを進める。

 

▶︎ 購入型クラウドファンディング市場が500億円規模に成長。

 

▶︎ 若い世代を中心に著名人が主宰するオンラインサロンが活況

 

戦略の方向性が一致していない企業や消費者の行動にみえるが、実は目的を

達成するまでのプロセスを楽しむ経済行為という共通点がある。

売らない店というのは、店舗が購入先ではなく、企業や商品の世界観や

社会的な使命を伝える場になることを意味する。

例えば、スポーツ衣料品ブランドのルルレモンは、カナダで「ヨガの

愛好家が集う場所をつくろう」と創業したのがきっかけ。

今でも世界の店内でヨガ教室などを定期的に開催している。

服はあくまで〝ついで買い〟という姿勢だ。クラウドファンディングは、

まさに目的が達成するまでの過程を楽しむことで、売りっぱなしが中心

だった消費ビジネスの変質ぶりがうかがえる。

 

一体なぜ、このような変化が起きたのか。

こうした現象を「プロセスエコノミー」という著書にまとめたシンガポール

在住のIT評論家、尾原和啓氏に聞いてみた。

「日本に戻ると、コンビニエンスストアの300円スイーツのおいしさに

驚く。こうなるとケーキ職人は厳しい。これは家電など様々な分野の

完成品市場に共通している。もはや、いいモノだけでは稼げない」と

指摘する。

完成品あるいはアウトプット(成果物)で稼ぐ経済に対して、完成に至る

道のりで顧客を集めるのがプロセスエコノミーだ。

尾原氏によると、プロセスセコノミーという言葉は、ライブ配信企業を

立ち上げた「けんすうさん」という人物が作ったという。

ネットで瞬時に情報がコピーされ、共有される時代。

ファーストリテイリングの「ユニクロ」のように、安さだけでなく、

質も高いコモディティー化があらゆる分野で加速している。

このため、すぐに後発の国や企業に追いつかれ、完成品ビジネスの収益力は

低下する100円ショップを見れば分かる。

かつては既製品の廉価版を提供するイメージだったが、今では新たな

実用品を数多く生み出している。しかも、完成品の市場は飽和状態にある。

「コモディティー化で機能の違いが少なくなると、若い世代を中心に商品を

選ぶ楽しみがなくなってくる。消費に意味を求める志向が強まり、(商品が

店頭に並ぶ前の)上流に目が向いている」(電通若者研究部の用丸雅也氏)。

結果至上主義が強かった日本経済だが、付加価値がプロセスで発生する

「新消費主義」は着実に社会に浸透していくだろう。

実際に、そんな現象はたくさん生まれている。

 

プロセスエコノミーの定義は幅広い。狭義で言えば、プロセスそのものに

支出するクラウドファンディングが代表だろう。

READYFOR(東京・千代田)の支援事例を見ると、消費者がお金を払いたい

行動の多様さを感じる。

例えば、初めて1000万円以上集めたのは、日本初の四輪駆動車「くろがね

四起」の復元という実用性がまるでないプロジェクト。

1万円を出資した場合、一般展示前のお披露目イベントへの招待と、車両の

隣に置くプレートへの名入れ、そしてオリジナルTシャツのプレゼントだ。

3万円だと、これに助手席での記念撮影が加わる。興味のない人には、

少ない見返りの割に法外な出費に見えるだろうが、マニアにとっては十分

すぎる内容だ。最近話題の「すみだ北斎美術館」(東京・墨田)の建設費用も、

トラストバンクが運営する「ふるさとチョイス」がクラウドファンディングで

資金の一部を集めている。

 

振り返ると、コモディティー化は今に始まったわけではなく、広義の

プロセスエコノミーは消費に根付いている。

人気の女性ユニット「NiziU(ニジュー)」を生んだオーディション番組は、

視聴者が誕生までの姿に感動し、ファンになっていく。

名車モデルや往年の人気ドラマなどを分割して販売し、時間をかけて完成

していくデアゴスティーニのようなコンテンツビジネスもプロセス重視型だ。

サスナテナブル型の衣料やシューズプランドも商品の価値以上に、環境を

重視したものづくりに消費者は共感し、出費を惜しまない。

劇作家で評論家の故山崎正和氏は著書「柔らかい個人主義の誕生」でも

消費が生産物を処理するためではなく、自己実現する行為と位置づけて

いた。1980年代に看破した見通しが、ようやく到来したように映る。

今後の消費は「これがいい」という量販型を使い分ける姿がより顕著に

なる。

「これでいい」分野は一段と競争が激化し、コミディティー商品を扱う

スーパーやドラッグストアは業界再編に拍車がかかる。

「これでいい」モデルは「答え」より、なぜやるのかといった「問いかけ」が

起点になる。学校では優先順位が低かった倫理、哲学が価値になるわけで、

一夜漬けでは追いつけない。結果より過程が収益を生む新消費主義が

根付くには、教育プロセスの見直しも必要だろう。

 

● プロセスエコノミーの形成・拡大とその先

 

    完成品中心の消費

  ↓

    コミデイティー化の加速

  ↓

    完成品消費の収益力が低下

  ↓

    プロセスで付加価値を生む経済にシフト

        □ クラウドファンディング □ サステナブル志向

   □ コミュニティー型の小売店やオンラインサロン

   □ アイドルやタレントの推し

         ↓

    「これでいい消費 李(量販型・実用品)」と

    「これがいい消費(こだわり型、自己実現型、趣味や嗜好品)」

        ↓

     小売業の再編、価値を伝える百貨店の再評価?

 

● 購入型クラウドファンディング市場規模の推移

 

  2017年  98億円

  2018年 110億円

  2019年 150億円

  2020年 500億円


● 至上

 

この上もないこと。また、そのさま。最上。最高。「―の栄光」

 

● コミュニティー(community)

 

居住地域を同じくし、利害をともにする共同社会。町村・都市・地方など、

生産・自治・風俗・習慣などで深い結びつきをもつ共同体。地域社会。

 

● ルルレモン(lululemon)

 

カナダ生まれのお洒落なヨガウェアブランド!キュートで機能性も抜群!

ルルレモンは1998年にカナダのバンクーバーで誕生。

ルルレモンの創業者のチップ・ウィルソンは、ヨガやスポーツをする

女性のために、誰もが魅力的に見えるようなスポーツ専門ウェアを開発。

近年の大ブームによって、ルルレモンのヨガウェアが爆発的ヒット!

ルルレモンの商品は動きやすく、丈夫な素材で機能性はもちろん、

スタイリッシュなデザインも好評!

 

● ファストファッション

 

流行のデザインを取り入れた衣料品を迅速に大量生産し、短期間に売り

切ってしまうファッション・ブランド、あるいはそのビジネスモデル。

定番商品をもたず、最新トレンドを反映した新商品を1週間から2週間単位で

次々と店頭に並べ、1か月足らずでほぼ入れ替えてしまう。

Tシャツ1枚数百円、ワンピース1着数千円などと価格が安い点に特徴がある。

安くて早い「ファーストフード」になぞらえてこうよばれる。

流行に敏感で同じ服を単一シーズンしか着用しないという消費者層に

支持され、世界的に売上げを伸ばしている。

スウェーデンの「H&M」(ヘネス&モーリッツ)、「ザラZara」ブランドを

もつスペインのインディテックス社INDITEX、アメリカ系の「フォー

エバートゥウェンティワンFOREVER21」、イギリスの「トップショップ

TOPSHOP」などが有名。

世界各国に店舗をもち、H&M社やインディテックス社の年間売上げは

1兆円を超える。最近はファーストファッションどうしの競争も激しく、

有名デザイナーと組んで新ブランドを売り出す例が目だつ。

広義には「ユニクロ」ブランドを扱う日本のファーストリテイリング社も

含まれるとの意見がある一方、「ユニクロ」は定番品が中心で、ファースト

ファッションの範疇(はんちゅう)には属さないとの見方もある。

 

● ファースト‐ファッション(fast fashion)

 

《「ファストファッション」とも》アパレルメーカーが、ファースト

フードのように低価格で、かつ流行を素早く取り入れた商品を提供すること。

また、そのブランドや業態のこと。「ファースト」には、安価で手軽、

速いサイクルで商品を提供する、短期間で売り切るなどの意味が含まれる。

 

● オンラインサロン

 

オンラインサロンは、月額会費制のWeb上で展開されるクローズドな

コミュニティの総称である。

作家、実業家、アスリート、ブロガー等、専門的な知識を持っていたり、

ある分野で優れたスキルや経験を持つ個人、又は複数のメンバーが主宰者

となり運営している。また、アーティスト・アイドル、モデル、テレビ

タレント・アスリートのファンクラブとして活用される例もある。

 

● 変質

 

1. 物質や物事の性質が変わること。「この薬品は空気に触れると―する

2. ふつうとは違う病的な性質や性格。

 

● プロセスエコノミー

 

「プロセスエコノミー」を一言で説明すると「プロセスを共有するところが

お金を稼ぐメインとなる」ということ。

従来の常識である「完成品としてのアウトプットを売る」という「アウト

プットエコノミー」の対極にある考え方だ。

 

● コモディティー化

 

競合する企業の製品やサービスについて、性能、品質、ブランド力などに

大差がなくなり、顧客からみて「どの会社の製品やサービスも似たような

もの」に映る状況をさすマーケティング用語。

企業間の技術力やサービス力の高度化・均質化に起因するとされており、

顧客は価格(料金)や購入(利用)しやすさのみを基準にものやサービスを

選好するようになる。単に製品やサービスの無個性化が進むだけでなく、

価格や料金が低下する傾向が強い。

このため高価なものやサービスが低価格化・大衆商品化してしまうことも、

コモディティ化とよぶ場合がある。もともとコモディティcommodityとは

原油、貴金属、小麦、トウモロコシ、大豆など量り売りで取引される商品を

さしており、これらは産地や品種に違いがあっても、商品として本質的に

違いがないものである。

 

● 廉価版

 

書籍の内容を変えず、装丁などを簡略にするなどして安く売るもの。

ソフトウエアや電化製品などについていうこともある。普及版。

 

● 飽和状態

 

飽和状態」の意味は「余地がないほどいっぱいの状態」。

飽和状態」の読み方は、「ほうわじょうたい」です。

飽和状態」の「飽和」とは、「持つことができる最大限にまで量が

達していること」「増加していくうちにこれ以上増加できなくなる

状態に達していること」の意味です。2020/02/29

 

● 浸透

 

思想・風潮・雰囲気などがしだいに広い範囲に行きわたること。

「新しい生活様式が国民に―する」

 

● 狭義

 

ある語が示す意味の範囲に幅があるとき、狭く限定したほうの意味。⇔広義

 

● デアゴスティーニ

 

株式会社デアゴスティーニ・ジャパンは、イタリアデアゴスティーニ社の

日本法人。分冊百科やパートワークと呼ばれる形式の雑誌の出版社である。

「デアゴスティーニ」と誤読される事が多い。

 

● 看破

 

見やぶること。物事の真相や裏面を見抜くこと。「悪計を―する」

 

● 顕著

 

際立って目につくさま。だれの目にも明らかなほどはっきりあらわれて

いるさま。「―な業績」「徴候が―に現れる」


 

私は、〝新聞を読む〟ことを日課としておりますが、興味のある記事が

はっきりとしています。

そして、ジャンルが幅広いと感じています。あまり良いことではないと

自覚はしておりますが〝しようがない〟と思っています。

今回の記事で大変、面白かった=勉強になったことは、いろいろな言葉を

知ることができたと言うことです。

この記事を読まなかったら、「プロセスエコノミー」と言う言葉、意味は

知らなかったと思います。従って、〝知る〟によって明日から新聞記事等で

「プロセスエコノミー」が出てくると、〝興味ある記事〟となり、

〝新しいジャンル〟が追加されると言う訳です。

 

  〝知らないことを知ると言うことは、楽しいものです〟

 

 

2021.11.9

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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