実践するドラッカー[行動編] ㉗
A lesson from P.F.Drucker
∵時間配分に気をつける
アクションプランは時間管理の基準としても必要である。(中略)
あらゆる組織に時間を無駄にする要因がある。
そのような状況において、時間の使い方の目処となるものがアクション
プランである。
『経営者の条件』—p.7
アクションプランには、時間配分の計画という一面があります。
「いつまでに」「誰が」「何を行うか」の「いつまでに」はもちろんの
こと、「誰が」「何を行うか」は、人の知識や能力に応じてかかる時間が
違うことを示しています。入社一年目の社員と五年目の社員では明らかに
異なるでしょうし、同じ人でも得意なことと不得手なことでは差が出る
はずです。また、計画当初に時間を少なめに見積もってしまうと、期待
した成果にはとうてい届きません。
そもそも、計画が順調にいくことは稀です。不意のアクシデント、長引く
会議など、予期せぬ時間泥棒の邪魔が入るものです。
それらの要因を排除することも大切ですが、遅れに対しても、きちんと
手を打っていかなければなりません。
例えば、人数を増やすなど新たな資源を投入する。期限を再度調整する、
場合によっては成果のレベルを調整する必要も出てくるかもしれません。
アクションプランとは、行動そのものを計画し管理する道具ですが、
同時に、時間を管理する燃料計でもあります。
A lesson from P.F.Drucker
∵機会をつかむ準備をしておく
アクションプランとは意図であって、絶対の約束ではない。(中略)
一つひとつの成功が新しい機会をもたらし、一つひとつの失敗が新しい
機会をもたらすがゆえに、頻繁に修正していくべきものである。
『経営者の条件』—-p.6
何か行動を起こすと、状況が変わります。変化は機会を呼びます。
その時がプランを変える時です。
ビジネスを含め人生で起こる多くのことは、誰か、もしくは何かとの縁で
引き起こされます。友人や同僚、お客様の集合体である市場という場合も
あるでしょう。つまり、行動の結果が自分以外の誰か、もしくは何かの
影響を受けないことは、ありえないのです。
ですから、当初思い立った計画は、常に変更を迫られる運命にあります。
そのときの心構えは三つです。
・変化を機会に変えること。
・絶え間なく強みを磨いておくこと。
・機会を成果に変えるための資源を確保しておくこと。
変化は誰にも平等に訪れますが、機会は準備していた者にしか現れません。
その準備とは、強みを磨いておくことです。そして、機会と強みをいつでも
生かせるよう、手もちの資源を確保しておくのです。時間しかり、お金や
支援者しかり。
単に計画を後手後手で修正するのではなく、機会をつかんで成果につな
がるよう、日頃の準備に努めたいものです。
実践ノート⑧
今解決したい問題や課題について、どうすれば解決できるか、具体的な
行動を挙げてください。
—-hint—
■ 実践シート③(p.81)で記した問題と課題の具体的な解決方法を考える。
■ 明日の朝から具体的に行うことを「〜する」と動詞で書く。
実践ノート⑨
どのようにすれば夢や目標を叶えられますか。具体的な行動を挙げてください。
—-hint—
■ 実践シート④(p.83)で記した目標や夢の具体的な実現プランを考える。
■ 明日の朝から具体的に行うことを「〜する」と動詞で書く。
実践ノート⑩
計画を定期的に振り返り、成果に近づくための工夫を挙げてください。
—-hint—
■ 振り返ることの価値を認識する、必要性や目的を考える。
■ いつ、何を振り返るかを決める。これまで習慣にしてきた方法を活用する。
この続きは、次回に。