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Coffee Blake-令和3年12月20日(月)「聞く力」

日経新聞 2021.12.17〝「大機小機」-もう少し早く「聞く力」を〟の

記事が掲載されておりました。

現在の政治評価に〝ピッタリ〟と思い、ここにご紹介致します。

 

2021.12.20

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美


 

大機小機

 

もう少し早く 「聞く力」を

 

 

「聞く力」はもう少し早く使えばどうか。

18歳以下への10万円相当の給付、国外からの航空便新規予約停止、

金融所得課税など、岸田文雄首相の政策はいったん「私が決めた」と

打ち出してから、その後に変更する事例が相次いでいる。

理由は支持率・国会対策に尽きる。菅義偉前政権を反面教師に、不満や

疑問が出た案件は、ただちに修正して波乱の芽を摘む。

すると「柔軟、臨機応変な対応だ」と評価される。

初めて1対1の論戦が予算委員会で始まった国会でも、野党に先手を打つ

ことができる。国会論戦で政府側は防戦一方になり、ただでさえ支持率は

下がる。そこを先回りする狙いである。

政権が発足してまだ100日たたないハネムーン期間でもあり、今のところ

この手法は奏功している。しかし、そもそも政策を打ち出す前に、なぜ

こうした不満を「聞く力」を発揮して解消できなかったのか、の疑問が

残る。

現金とクーポンで5万円ずつ給付する方式はそもそも、自治体からは

「事務が頻雑になる」「一括で現金を配りたい」との要望が出ていた。

当初は堅かった政府側はなし崩し的に方針を変え、最後は国会答弁で

首相自らが表明する方式をとった。国会対策が主眼だったのは明らかだ。

自民党総裁選の時から考えれば、首相は「令和版所得税倍増計画」も

引っ込めた。決定から実行までの間に「聞く力」を名目とする政策変更が

常態化すれば、予見性がなくなるリスクが大きい。

「岸田ショック」とも呼ばれて株価下落の一因にもなった金融所得課税は

完全に引っ込めたわけではなく、来年夏の参院選に勝てば、実現に向けて

動き出すだろうというのが、永田町の見立てだ。

とにかく参院選が終わるまでは、支持率が下落しそうな課題はすべて、

同じ対応で乗り切る考えなのだろう。

しかし菅内閣との対比による得点効果も、やがて終わる。

臨機応変、柔軟な対応との評価は、あっという間に優柔不断、朝令暮改と

いった悪い評判に変わりかねない。

低姿勢の岸田内閣を小渕恵三内閣に準える向きもある。

小渕氏の政権運営はしたたかで、支持率を気にしながらも外交など信じる

政策はぶれなかった。

岸田氏が小渕氏になれるかどうかの答えは、まだ早い。(弦楽)

 

● 奏功(そうこう)

 

目標どおりの成果があがること。功を奏すること。

「和解工作が―する」

 

● なし崩し


物事少しずつ変えていくこと、徐々に変えていってそのまま始末して

しまうこと、などの意味の表現。元々は借金少しずつ返済すること、

徐々に済すことを意味した。転じて、徐々に進捗している勢いのままに

物事を進めきってしまおうとする様子などを指すことが多い。

 

● 常態化

 

普段の状態になること。

 

● 予見性

 

危険な事態や被害が発生する可能があることを事前に認識できたか

どうか、ということ。 重大な結果を予見できたにもかかわらず、危険を

回避するための対応・配慮を怠った場合、過失を問われることがある。

 

● 臨機応変

 

状況に応じた行動をとること。場合によって、その対応を変えること。

▽「臨機」は事態にのぞむこと。「応変」は変化に応じる意。

「機きに臨のぞんで変へんに応おうず」と訓読する。

 

● 優柔不断

 

ぐずぐずして、物事の決断がにぶいこと。また、そのさま。

▽「優柔」はぐずぐずしているさま。

 

● 朝令暮改(ちょうれい-ぼかい)

 

命令や政令などが頻繁に変更されて、一定しないこと。

朝出した命令が夕方にはもう改められるという意から。

▽「朝あしたに令れいして暮くれに改あらたむ」と訓読する。


 

私は、政治には疎いのですが、この頃、新聞等々で思うことは、

「発言をひるがえす」「猫の舌も乾かない」うちに、との印象を

受けます。

 

●●猫の舌も乾かない●●

 

言い終わって間ないうち。 多く、前言に反したことをすぐ言ったり、

行なったりするさまに用いられる。 舌も乾かぬ間。

 

一つお願いですが、公約は極力実現していただきたい、ということです。

 

今回の〝極力〟とは、私の場合は、〝諦め〟に通じる言葉となります。

公約実現等々に期待する国民の評価は、〝支持率〟と思いますが、

〝現在〟を見据えていないで、来年の参院選を見据えての〝現在〟を

考える政策・施策は、いかがなものでしょうか。

 

政治に疎い私ですが、ちょっと疑問を抱いた次第です。

 

 

2021.12.20

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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