お問い合せ

Next Stage 令和4年1月11日「PDCAサイクル」

日本経済新聞 2022年(令和4年)1月4日「Deep Insight—Opinion」に、

〝賢い支出へPDCA回せ〟の記事が掲載されております。

 

私の社会人時代、よく活用していた「PDCAサイクル」。

現代は、「OODAループ」にニーズがあるみたいですが。

 

OODAループとは、ウーダループと読む。Oops.

Observe(観察)Orient(状況判断/方針決定)Decide(意思決定)

Act(行動)の頭文字を取ったものです。

この4つのステップで行われる問題解決の技法です。

 

私は、この記事内容については、〝座布団5枚〟以上差し上げたい気持ちです。

 

私も「代表のブログ」で施策や官僚等々について、私見を述べておりますが、

一般企業の常識が国政内(官僚)では、実践されていないようです。

 

一番の理由は、自らが働いて稼いだお金ではなく、国民や企業等々から

徴収した〝税金〟だからでは無いでしょうか。

企業であれば、少しでも従業員の待遇をよくするために、極力、無駄を

無くし、給与の昇給、賞与増等々に努力をはかります。

日本はこれまで30年間、賃金・年収がほぼ横ばいとの記事を拝見した

こともあり、「代表のブログ」でもいろいろな視点で、掲載しております。

 

●●日本の賃金、ほぼ30年間横ばい●●

 

21世紀に入って日本の賃金はほとんど上昇しなかった。

その結果、平均賃金の水準では、G7でイタリアと最下位を争い、2015

には韓国に抜かれ、差が開く一方だ。なぜ賃金が上がらない、安い賃金の

国になってしまったのか」――という問題意識から、「貧しくなった日本」の

理由に切り込んでいる。

OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の平均賃金(年間)は

2000年時点、38364ドル(約422万円)で加盟35カ国中17位だった。

20年には38514ドル(約423万円)と金額はわずかに上がったものの、

22位にまで順位を下げた。過去20年間の上昇率は0.4%にすぎず、ほと

んど「昇給ゼロ」状態。日本の平均賃金は韓国に比べても、3445ドル

(約379000円)低いという。

 

 

〝賃金や年収がほぼ30年間、横ばい〟であることの理由は、諸説ありますが、

これからご紹介する記事の内容も一つの要因ではないかと思いました。

皆さんがこの記事を読んだ後に、どのような感想をお持ちになりますか、

ちょっと気になります。それでは、記事をご紹介致します。

 

2022.1.11

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 


 

Deep Insight—Opinion

 

     本社コメンテーター 上杉 素直

 

賢い支出へPDCA回せ

 

 

中国の武漢市で原因不明の肺炎が発生していると世界保健機関(WHO)に

報告された2019年12月31日から2年が過ぎた。新型コロナウイルスは

なお広がりを見せ、私たちの健康とくらしに大きな影響を与えている。

今回の年末年始も感染を恐れて帰省を諦めた人も多かったはずだ。

この2年、日本の政策運営にはいくつものパンデミックスに対処するのは

たしかに難しい。だが、四半期ベースで2度もマイナス成長に陥った21年は

残念ながら、同じ災禍からの回復をたどる米欧の国々との差が歴然とした。

なぜ彼我の差はついたのか。

人々の価値観に視点を当てた仲田泰祐東大准教授の研究は興味深い。

「経済をもう少し回すこと」と「感染をもう少し抑制すること」は一定

条件下でトレードオフの関係になる。そして、そのバランスをいかにとる

かは社会の価値観を反映するのだそうだ。

そんな前提で「コロナ死者数を1人減少させるためにどの程度の経済的

犠牲を払いたいか」を試算すると、日本は約20億円に届く。

米国の約1億円、英国の約0.5億円より高い(21年12月3日付日本経済新聞

朝刊「経済教室」)。何十倍の違いを知ると、日本経済の低迷が必然とも

受け取れる。

行政の構造問題も絡む。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会に

経済学者を代表して参加した小林慶一郎慶大教授は縦割りの弊害が根っこ

にあると指摘する。

自分たちの内輪の論理にこだわって様々な対策に取り組む厚生労働省は

典型という。

そこに公衆衛生や医療の課題と経済活動への影響をトータルで捉える視点は

生まれない。小林氏は「感染が増えても経済が回そうとは言いにくかった」

と振り返る。結果としてコロナ死を減らすことに偏重し、膨大なコストを

費やしたという反省は、仲田氏の分析とも重なり合ってくる。

コロナとの闘いと共存、その後の社会作りは22年も中心のテーマであり

続ける。これまでの反省を生かしつつ、傷ついた経済を癒やし、次の成長

への的確で効果的な手を打つのが政府の責任だ。

「ワイズスペンディング(賢い支出)」を唱えるだけでなく、実現できる

かが問われている。

しかし、そのための仕組みや姿勢がきちんと整い、機能しているようには

思えない。国の歳出の使われ方を調べると会計検査院が21年11月にまとめた

20年度決算の検査報告からは、大きくわけて2つの不安が浮かび上がる。

まずは行政の各部門が決められた仕事をしっかりこなせているのかどうか。

当たり前過ぎてバカバカしく響く問いかけだが、布マスクの配布ひとつを

とっても、驚くほどにずさんな仕事ぶりだったことが明らかにされた。

マスクの調達に際して仕様書は作らず、「くしゃみやせきの飛沫を防ぐ

構造であること」などと業者に口頭で指示したのみ。

仕様書が無いから検収はできず、納入数の報告で代用していた。

配らなかった約8200万枚の保管料として6億円も払った——-。

民間の企業経営に」「PDCAサイクル」という用語が使われる。

計画(Plan)、実行(Do)、点検(Check)、改善(Action)という流れで業務の

効率を上げる概念だ。

これを政府に当てはめると、マスクの配布をめぐる呆れる実態は「D(実行)」

のおぼつかなさを象徴している。厚労省や文部科学省など複数の役所に

またがるプロジェクトならではの混乱もあり、コロナ対策予算の3分の1が

消化されていない執行率の低さにもつながっているだろう。

もう一つの不安はより深刻かもしれない。

「C(点検)」は十分なのかという問いだ。

会計検査院が先の報告で取り上げたのは、19〜20年度に予算が措置された

5つのコロナ対策だ。総額77兆円が各省庁の854の事業へ投じられた。

ところが、検査院がその使われ方を分析できたのは770事業にとどまる。

事業によってはコロナ対策とそれ以外の予算が混ざってしまい、使われ方

を分析して調べることができないらしい。

裏を返せば、コロナ対策と銘打った歳出が最終的にどう使われたかに

ついて、全体図が示せていない。

「C(点検)」が不完全なら、「A(改善)」だって期待しにくい。

いま学ぶべき先例は11年の東日本大震災への対応だろう。

3月11日の震災発生から3カ月余りで基本法を成立させ、復興にまつわる

歳出と歳入を複数年にまたがってパッケージで管理する仕組みを整えた。

収支の全体像が明確になり、復興を我がことととらえる土台になったの

では無いか。

政府がまとめた22年度予算案はいわば新たな「P(計画)」。

過去最大の中身は適切か。21年度補正予算と連なる「16カ月予算」の効果は

見込めるか、国会などでしっかり論じてもらいたい。

そして併せて、国の政策を研ぎ澄ます検証プロセスや仕掛けづくりにも

目をやりたい。そうした土台があってこそ、財政の賢さが育まれていく

のではないか。

 

●●日本のコロナ対策には反省点も多い●●

 

□2021年は日本の低迷ぶりが目立った

 

ユーロ圏 1〜3月 -3%  4〜6月  8%  7〜9月 9%

英国   1〜3月 -6% 4〜6月 21%  7〜9月 5%

米国   1〜3月  6%  4〜6月  5%  7〜9月 2%

日本   1〜3月 -4%  4〜6月  2%  7〜9月 -3%

 

※ %は、私が作成致しました。

 

□ コロナ死者数を1人減少させるためにどの程度の経済的犠牲を払いたいか

 

日本約20億円  > 米国 約1億円 > 英国 約0.5億円

 

(注)仲田泰祐東大准教授の試算

 

□ 国のPDCAサイクルはおぼつかない

 

Plan(計画)/5つのコロナ対策、77兆円 ➡️

 

Do(実行)/予算の3分の1は使い残し➡️

 

Check(点検)/854事業のうち770事業しか分析できず ➡️

 

Action(改善)/きちんとできるか疑問符➡️

 

Plan(計画)➡️ Do(実行)➡️ Check(点検)➡️ Action(改善) 

 

※ 繰り返し行う。

 

● 災禍

 

天災や事故によって受けるわざわい。思いがけない災難。災害。

「―に遭う」

 

● 彼我(ひが)

 

かれと、われ。相手と自分。あちらとこちら。「―の力量の差」

 

● 偏重

 

物事の一面だけを重んじること。「学力を―する教育」

 

● ワイズスペンディングwisespending

 

「賢い支出」という意味の英語。 経済学者のケインズの言葉。

不況対策として財政支出を行う際は、将来的に利益・利便性を生み出す

ことが見込まれる事業・分野に対して選択的に行うことが望ましい、と

いう意味で用いられる。

 

● PDCAサイクル

 

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、

Action(改善)の頭文字を取ったもので、1950年代、品質管理の

父といわれるW・エドワーズ・デミングが提唱したフレームワーク

です。PDCAサイクルを強化することで、一人ひとりがKPI(重要業績

評価指標)にかかわるミッションを達成すると、結果として中期経営

計画や会社の業績が達成できる仕組みになります。

 


 

私が若い時に勤務した製造会社では、私の業務内容は「品質管理=QC」

でした。

当時、芝浦工業大学工学部と一緒に「品質管理」を行っておりました。

主な目的は、不良品をなくすための製造工程の見直しや商品検査等々です。

その際も「PDCAサイクル」を実践していた記憶があります。

 

私たち社会人の〝当たり前〟が、官僚の方々にとっては当たり前では

ないように思われます。

「代表のブログ」でも〝官僚①②〟〝ここ30年間、年収横ばい〟等々でも

お伝えしておりますが、今後に期待したいと思います。

 

 

2021.1.11

株式会社シニアイノベーション

代表取締役 齊藤 弘美

 

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