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「人を動かす人」になれ! ㊿+23

78.部下の身近な問題を解決できないトップは信頼されない

 

最近、「超エリートは役に立たない」といった経営者の声をよく耳にする。

これは、わたしも同感である。なぜなら、学校でずっと一番を通してきた

ような人は、これまでが成功の連続だったために、ちょっとした失敗にも

耐えられないことが多い。つまり、競争には強いが精神的には脆い。

ライバルには勝つことができても、自分自身には克てないという結果に

なりやすい。

これからの経営者やリーダーをつくっていこうとするのであれば、わたしは

エリートよりも自由奔放な人間に軍配をあげる。

われわれの学生時代には、クラスに必ず一人や二人は先生をてこずらせ、

困らせていた連中がいた。何回叱られても授業中に弁当を食べる。

授業は退屈だといって、先生を質問攻めにする。先生が少しでも間違いを

やると、はやし立てあげ足をとる。それでも、いまの学生のように勝手に

教室から飛び出して、どこに行ったのかわからないというようなことは

なかった。欠かさず授業には出ていたし、点数は高くなかったがきちんと

テストを受けて及第点をとっていた。

先生も彼らに対して手を焼いていたが、嫌ってはいなかった。

むしろ、何かあると「君が責任を持ってやれ」と結構頼りにしていたし、

かわいがってもいた。そういう連中は、人のイヤがることも引き受けて

やったし、細かなことにはあまり頓着しないという豪快な一面も持って

いた。

反対に、エリートはみんなから好かれよう、嫌われたくないといった意識が

強く働きすぎていたように思う。他人の目や評価を気にしすぎるあまり、

大胆になれない。多くの反対者を押し切って、これまでのやり方を変えて

いこうという気持ちにはなりにくいようだ。

このことが、徐々に会社を蝕んでいく。

経営者は多少嫌われていたとしても、結果さえ出せば社員の支持を得る

ことができる。この結果の最大のものは利益であるが、これまではとても

できないだろうと思っていたができた、あるいは社員が普段から感じて

いること、たとえば社員食堂をつくってほしいとか、ロッカールームが

狭いといった身近な問題点が、一つ一つ着実に解決されていけば、大多数の

社員の支持は必ず得られるものだ。

いくら社員から好かれていても、結果の出せない経営者は支持を集める

ことはできないのである。

 

● 克つ

 

「克服」という字があります。努力して困難にうちかつこと。

困難を乗り越えること。という意味です。

ここから分かるように、「克つ」は相手が自分​なのです。

こんな例文がありますね。

誘惑に克つ

己に克つ

難病に克つ

これでしっくりきたのではないでしょうか?

まとめますと、

「勝つ」相手が対象

「克つ」自分が対象  ということになります。

 

● 自由奔放

 

世間のきまりやしきたりにとらわれないで、自分の心のままに行動する

こと。常軌に従わないで思いのままにふるまう様子。 [活用] ―な・―に・

―だ。

[解説] 「奔放」は勢いよく走るという意味から、常識などにとらわれず、

思うとおりにふるまう様子。

 

● はやし立てる

 

囃し立てる、盛んに多くの人が冷やかしたり褒めたりするときに

使われます。「冷やかしたり褒めたり」であるため、いい言葉としても

良くない言葉としても使われますが、一般的に良くない言葉として使います。

2021/10/27

 

● あげ足をとる

 

《技を掛けようとした相手の足を取って倒すところから》

人の言いまちがいや言葉じりをとらえて非難したり、からかったりする。

 

 

この続きは、次回に。

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