P.F.ドラッカー 「仕事の哲学」㉗
□ 行動が必要なとき
何もしないと事態が悪化するのであれば、行動しなければならない。
同じことは機会についてもいえる。急いで何かをしないと重要な機会が
消滅するのであれば、思い切って行動しなければならない。
—–『経営者の条件』
□ 行動に移すための問い
決定を行動に移すには、誰がこの意思決定を知らなければならないか、
いかなる行動が必要か、誰が行動をとるか、その行動はいかなるもので
あるべきかを問わなければならない。
—–『経営者の条件』
□ 自ら出かけ確かめる
自ら出かけ確かめることは、決定の前提となっていたものが有効か、
それとも陳腐化しており、決定そのものを再検討する必要があるか
どうかを知るための、唯一ではなくとも最善の方法である。
—-『経営者の条件』
□ 意思決定には勇気が求められる
決定の準備は整った。決定の多くが行方不明になるのがここである。
決定が愉快でなく、評判もよくなく、容易でないことが急に明らかになる。
そして、決定には判断力と同じくらい勇気が必要なことが明らかになる。
薬は苦いとは限らないが、一般に良薬は苦い。
—-『経営者の条件』
□ 臆病者は一○○○回死ぬ
絶対にしてはならないことがある。もう一度調べようとの声に負ける
ことである。それは臆病者の手である。
臆病者は、勇者が一度死ぬところを一○○○回死ぬ。
—–『経営者の条件』
□ バスカヴィル家の犬
一○回のうち九回は、不安に感じていたことが杞憂であることが明らかに
なる。しかし一○回に一回は、重要な事実を見落としていたり、初歩的な
間違いをしていたり、まったく判断を間違っていたことに気づく。
一○回に一回は、突然夜中に目が覚え、シャーロック・ホームズのように、
重要なことはバスカヴィル家の犬が吠えなかったことだと気づく。
とは言っても、決定を延ばしすぎてはならない。
数日せいぜい数週間までである。
—–『経営者の条件』
この続きは、次回に。