お問い合せ

P・F・ドラッカー「創造する経営者」㊿-59

○ 補助的活動のアンバランス

 

補助的活動が、あまりに高い水準の努力と能力を必要とするために

アンバランスの原因となっていることがある。

 

加工食品とホテルとケータリングを事業とするある企業がある。

この企業は、ホテルやレストランのための洗濯、加工食品の配送の

ためのトラック輸送など、いくつかの補助的活動を抱えている。

それらの活動はそれぞれ高い水準で運営しなければならない。

しかもかなりの投資を必要とする。おまけにピーク時を賄えるように

しておかなければならない。

したがって、それらの活動は、すべて不釣り合いなまでに大きなもの

となり、コストのかかるものとなっていた。

しかしこの企業は簡単な原則で問題を解決した。

本業並みの知識や能力を必要とする洗濯やトラック輸送は、社外の

顧客にもサービスを提供する独立した事業にした。

その結果、洗濯は大規模な事業に育っている。

トラック輸送はその地域でリーダー的な事業になっている。

それぞれの事業が、親会社のための業務の四倍から五倍もの取引を

ほかの顧客との間でもっている。もちろん、そのためいずれの事業も

競争力の強化に力を入れている。

しかし、この補助的活動にかかわる問題の解決には、常に機会を探すと

いう努力が必要である。

しかも逆に、本業に関係のない活動や最小限原則で処理できる活動までも、

本格的な事業に発展させてしまうことのないよう、自制が必要である。

前述の加工食品とケータリングを事業とする企業では、二つの原則を

守っている。

 

その第一は、規模の大きさや仕事ぶりが一流でなくとも十分な活動は、

小さな規模のままにしておくことである。たとえ利益をあげる事業に

発展させられる場合でも、自社にとって必要な規模以上には拡大しない

ことにしている。例えば、印刷業務もかなりの事業にできるはずだったが

拡大してはいない。

 

第二に、規模や仕事ぶりにおいて一流である必要があるものの、本業に

直接関係のない活動は、利益をあげられる大きな事業にまでは育てるが、

その後は売却し、自らその顧客になることにしている。

この原則は、例えば、店舗やレストランの設計建築関係の業務に適用して

いる。

現在、こうして売却した建築部門は、商業建築の分野でリーダー的な存在の

建築会社に成長している。

 

この続きは、次回に。

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