『成しとげる力』⑭
○ 夢を語ってこそ、心でつながる同志が集まる
最終的に人と人を強固に結びつけるのは損得ではない。
心と心でつながったときがもっとも強いし、大きな力を発揮することが
できるのだ。
お金を求めて入社を希望する者もいたが、そういう人はけっきょく、
お金のことで辞めていった。会社を取り巻く環境は、いつも順風満帆
とはかぎらない。リーマン・ショックのような経済危機に直面したら、
賃金カットもやむを得ない。基本的に私は辞めていく人を引き止めた
ことはないし、今後も引き止めるつもりはない。
心と心でつながった仲間であれば、苦難のときこそ力を尽くしてくれる。
二十人に一人、あるいは三十人に一人かもしれないが、そのような
者たちを探していきたい。
そのためには、経営者をはじめ、人を率いていく立場にある者が、
部下に夢を語っていくことが大切である。
夢を語り、それに賛同する同志が集まってこそ、成功への道が開ける
のだ。
明日という言葉は「明るい日」と書く。
今日よりも明日はもっと明るい日になる。
そういえる人こそ、リーダーに適している人である。
そのためには、自分が夢を信じなければならない。
明るい未来を描いていなければならないのだ。
もちろん、目の前には問題が山積みである。
人生はサインカーブだからである。よいことがあれば、同じだけ困難も
多いものだ。しかし、それはそれで置いておいて、明るい未来が語れる
かどうか。何よりもそのことが大切である。
● 順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
「順風満帆」は「順風(追い風)を帆いっぱいにはらむこと。
転じて物事がすべて順調に運ぶこと。 ことが非常にうまく進むこと。
その様子」を意味します。2013/08/01
● サインカーブ
正弦関数y=sin xをグラフに表したときにできる曲線。単純な波形で、
● 周期性
同じことが(あるいは似たことが)、一定の時間間隔でくりかえされる
こと。
この続きは、次回に。